正規雇用と非正規雇用の年収格差はどれぐらい?
政府の景気は回復宣言は一部を除き労働者全体にとってはあまり意味が無く
現実の足元の社会は雇用の劣化が進み正規雇用は減少し、非正規雇用が増加しています。
そんな状況の中、正規雇用として働く場合と、非正規雇用として働く場合ははたして
年収にどれぐらいの差があるのか非常に気になるところです。
統計データを探り、わかりやすくグラフにしてみました。
下記、左側の円グラフは正規雇用労働者を年収階層別に分類したもの、
右側の円グラフは非正規雇用労働者を年収階層別に分類したものです。
正規雇用者と非正規雇用者の年収階層分布のグラフを比較してみると
正規雇用者の約87%が年収200万以上であるのに対して非正規雇用者の年収は年収200万円未満が約87%
と全く両者を裏返したような結果が出ています。
正規雇用の仕事内容や仕事上の責任等を考慮するとある程度の年収の開きは予想していましたが
正直あまりの差に驚いてしまいます。あくまでグラフから受ける印象論ですが非正規雇用の安い労働力で
浮いた人件費を正規雇用に分配してるように見えてきます。あくまで印象論ですが・・・。
しかも、このグラフの統計データはあくまで年収の比較ですので
金銭にならない雇用の安定度、あるいは福利厚生や社会保険、退職金、企業年金、交通費等
総合的な待遇を考慮すると正規雇用と非正規雇用ではさらに待遇格差があるということでしょう。
全雇用者の3分の1を占める非正規雇用者の待遇は正規雇用に比べると著しく低いものであるという現実は
これからますます非正規雇用者が増えると考えると正直このような待遇面で劣悪な非正規雇用者を
雇用として完全失業率の就業者としてカウントしている現状は本当に社会の実態に合うものか憤りを感じます。
非正規雇用者は雇用され就業者となっていますが失業予備軍として限りなく失業者に近い存在でもあるわけです。
もちろん日本の完全失業率の算出方法は国際的な完全失業率の算出方法にあわせたものだそうですが
海外と日本では非正規雇用の待遇が雇用期間や収入の面で全然違うようで比較すると日本の方が遙に劣悪と
言う話も聞いたりしますのでいずれ海外の正規雇用の実態の情報を入手する機会があれば詳細を報告いたします。
最後に非正規雇用の年収階層分布のグラフには短時間の労働者が含まれるであろうパートやアルバイトの年収が
非正規雇用の年収階層分布の足を引っ張ってるので非正規雇用をさらに
パート・アルバイト、派遣社員、契約社員・嘱託、その他非正規雇用で分類した統計データで円グラフを作成しておきます。
派遣社員、契約社員・嘱託、その他非正規雇用の年収100万円未満がおのおの20%前後なのに対して
パートやアルバイトの年収100万円未満が約55%と非正規雇用全体の足を引っ張っていますが
それでも派遣社員、契約社員・嘱託、その他非正規雇用の年収だけを見ても年収400万以上はおのおの10%にも
届かず非正規雇用が正規雇用に比べて年収が劣悪であるということには変りありません。
しかもアルバイトやパートだからと言ってやみくもに軽視してしまうのはどうかと思います。
短時間労働であろうが正社員と同一の労働や責任を負っていないとは現実の世の中を少しでも知っていれば
誰が言い切れるでしょうか?今後もそのような実態を表す統計データを見つけることが出来ればさらに詳細を
ご報告させていただきます。
出展
総務省統計局 →労働力調査→調査結果→
労働力調査詳細結果(平成17年平均)の概要(速報)→仕事からの収入(年間),雇用形態別雇用者数(excelファイル) より