完全失業率が改善しても増加する非正規雇用、減少する正規雇用 | インターネット非正規雇用労働者組合

完全失業率が改善しても増加する非正規雇用、減少する正規雇用



いまや全労働者の3分の1を占めるようになった非正規雇用労働者

その実態を洗い出すためにまずは全雇用者数に閉める正規雇用と非正規雇用の数をグラフにしてみました。


グラフを見ると1990年(平成2年)には881万人だった非正規雇用者数が

2005年(平成17年)にはおおよそ倍の1633万人に増加しています。

非正規雇用の比率でみると1990年には20%だったものが2005年には32%と

全雇用者数に占める非正規雇用の割合が3分の1超に増加してるのがわかります。

正規雇用のピークが1997年(平成9年)に3812万人をつけた後、減少傾向をたどり始め

2005年(平成17年)には3374万人と正規雇用の失われた穴を埋めるように

非正規雇用者数は明らかに増加傾向にあります






景気回復を背景に完全失業率も改善傾向なのに正規雇用は減少し、非正規雇用は増加傾向にあります。

景気回復という政府の掛け声に空しく逆行するかのように雇用の質はますます劣化傾向をたどる一方です。

全雇用者数は近年横ばいですし、雇用の質という観点から見れば回復どころかはっきり言って後退しているのが実情です。


最後に完全失業率の回復傾向と雇用の質が劣化していく傾向をわかりやすくグラフにしておきます。

向かって左側のグラフは完全失業率と正規雇用者数の推移、右側のグラフは完全失業率と非正規雇用者数の推移です。

もはや完全失業率の改善傾向とはなんら関係なく正規雇用は減少してゆき、

非正規雇用が歯止め無く増加していく現実を淡々とグラフは語っています。


出展

  1990-2001年の数値データ

    総務省統計局 →労働力調査特別調査→

    平成13年2月労働力調査特別調査結果(速報)→雇用形態別雇用者数(excelファイル)より
  

  2002-2005年数値データ

    総務省統計局 →労働力調査→調査結果→

    労働力調査詳細結果(平成17年平均)の概要(速報)→雇用形態別雇用者数(excelファイル) より

  完全失業率数値データ

    総務省統計局 →労働力調査→調査結果→長期時系列データ→完全失業率(excelファイル) より

    (完全失業率は1月~12月の年平均を独自に算出)