3曲目は、「海色の風」です。投稿者は、この曲を聴いて、ファンクラブに入会したと云う思い出の曲の様です。真梨子さんが、香港でのコンサートに当たって、書き上げたスケールの大きな曲で、真梨子さんコンサートのエンデイングを飾る定番曲の一つです。

 「海色の風」は当時、更年期で体調を崩していた真梨子さんの再起を象徴した一曲でもあるかも知れません。作曲は鈴木キサブロー、編曲は十川知司です。真梨子さんは、香港の中国返還を祝してスケール感のある詞を書いたそうです。確かに、グローバルな大きな世界観を感じさせる作品に仕上がっていると思います。

 4曲目は、「幸せのかたち」です。投稿者氏は、この曲を初めて聞いた際の感動を綴っています。小生も、この曲を初めて聞いた時は、「ごめんね・・・」に続く、大ヒットの予感がしたものでした。

 しかし、「ごめんね・・・」と同じくNTV火曜サスペンスの主題歌となりましたが、「ごめんね・・・」のようにはヒットしませんでした。ただ、とても良い作品であることには違いありません。総じて良い作品ほどヒットしないといった傾向もあります。作詞家高橋真梨子の力量を示した作品だとも思います。時間という概念を縦糸にして人生の表裏を上手に際立たせていると思います。

 小生、「幸せのかたち」を初めて耳にした際、鳥肌が立つ様な衝撃を覚えました。真梨子さんの歌に、こんな感覚を覚えるのは、「for you …」以来だったかも知れません。

 「これは売れる」。「ごめんね・・・」に続く大ヒットの予感がありました。しかし、結果は残念なものでした。真梨子さんは、時の流れに重ね合わせて、世間の不条理、理不尽に光を当てたのかも知れません。

 「時間と場合」とは、云い得て妙です。確かに、誰かが幸せに涙する時、その裏では悔し涙にくれる人間の存在があるかも知れません。好事と悪事は表裏一体で、どちらが出るかは、賽の目の如きものかも知れません。

 男と女の恋の行方も、同じかも知れません。どんなに片方が他方を求めても、いや、互いに求めあったとしても、時間が二人を引き裂くこともあります。

 残るは、悔恨の情ばかりかも知れません。しかし、それが人生であり、人の世の習いかも知れません。燃える様な恋も、時と共に冷め、心に刻まれた傷は、時と共に膨張するのです。あの時、こうしていれば。その悔恨が人を育むのかも知れません。

 当時、NHKで「音楽旅人」と云う番組がありました。笑福亭鶴瓶がMCを務め、多彩なミュージシャンをゲストに軽妙なトークと音楽を楽しませる番組でした。

 この番組に、真梨子さんが登場したのです。2004年1月10日の放送でした、小生も、録画してDVDに取ってあると思います。

 鶴瓶氏は、番組収録に当たって、真梨子さんのアルバムを全て聴き込んだとか。彼は、♪子羊が 不味そうに 出てくる♪と云う詞に、作詞家高橋真梨子の新境地を感じたと述懐していました。