2003年6月号です。表紙は、清楚な純白のジャケット姿の真梨子さんです。右サイドに送る流し目目線が大人の色香を醸し出しています。

 頁を捲ると、当時のニューリリースのお知らせです。ニューアルバム「Method」は、2003年6月4日。同じく6月21日には、「Method+DVD Special DVD~songs&talks~」。前者が3,000円、後者が3,500円です。流石に20余年前のお値段は、安価です。

 小生は、2003年7月22日の東京国際フォーラムでのコンサート会場で、「Method+DVD Special DVD~songs&talks~」を買い求めました。現物は、もちろん、現在も手元にあります。DVDには、真梨子さんの貴重なTalkが収録されています。

 シングル「真昼の別れ」は、2003年5月21日の発売でした。真梨子さんのシングルは、ほぼ全て、アルバムに収録されているので、小生がシングルを購入するのは稀です。当然ながら、「真昼の別れ」のシングルも所持していません。

 唯一、オリジナルアルバム未収録のシングルは、1995年発売の「So in Love」だけでしょう。まあ、幻のセカンドシングルと云われる「夢ゆらり」を含めれば、2曲かも知れませんが・・。

 「真昼の別れ」。良い歌です。作詞は、真梨子さん、作曲は崎谷健次郎。崎谷さんは、他に、「迷い鳩のように」等10曲を真梨子さんに提供しています。

 当時、真梨子さんは、「白鶴 生貯蔵酒」のCMキャラクターを務めていました。新曲「真昼の別れ」がTVCMのBGMに採用されたのは必然でしょう。大人な真梨子さんが、黒のニットを纏って、涼し気に生貯蔵酒を呑む姿が印象的でした。

 「真昼の別れ」です。なんとも、切ない別れ歌です。ある日、彼氏の部屋に呼ばれ、突然の別れを告げられる彼女の心模様が、小生の胸を打ちます。

 小生の記憶では、真夏の街を歩きながら、この歌を口ずさんだ自分の姿があります。♪白いブラウス 透き通る 肌をわざと見せる・・・。

 得も言われぬ大人の女性の色香を感じさせます。随所にエロテイシズムを感じさせる、真梨子さんの詞は、作詞家としての力量を感じさせます。

 彼女は、どこかで、彼氏に別の恋人が出来たことを悟っていたのでしょう。しかし、それを自分の中で肯定出来ないもどかしさも感じていたに違いありません。

 彼氏の部屋で明るい陽射しを浴びながら、彼女は恋の終焉を悟るのです。彼を恨むでもなく、未練も薄い様です。

 真梨子さんの詞の艶めかしさも、真梨子さんが歌うと嫌味がありません。亡き阿久悠が指摘した、真梨子さんの魅力である「乾いた官能」全開の作品だと思います。

 CMと云えば、真梨子さんは、同時期に、化粧品のCMキャラクターも担っていました。花王のグレースソフィーナです。並みいる同性代の女優陣等を抑えて、真梨子さんに白羽の矢を立てた花王さんは慧眼だと思います。「年齢を輝きにかえる」「いきいき元気肌」と云ったコピーは、当に真梨子さんにピッタリでした。