「真梨子さんDEスケルトン」も佳境です。残るは、「ヨコのカギ」2つです。急ぎましょう。

 「15.昼も夜もトランプ 拾い集めて」。♪メロデイーが自然と口をつきます。「多重人格」ですね。1996年発売の真梨子さん、21枚目のオリジナルアルバム「RIPPLE」収録です。作詞は真梨子さん、作曲は盟友松田良。

 退廃的な色の濃い作品です。真梨子さんの歌には珍しく夢も希望もなさそうな物語です。ただ、裏を返せば、これ以上落ちることはなく後は反転攻勢を待つばかりかも知れません。

 多重人格とは、一般に一人の人物が複数の異なる人格を持つ精神疾患のことでしょう。これらの人格は、それぞれに異なる名前、性格、態度、思考、感情、記憶、スキル、声、姿勢、行動などを持っているとか。このような人格の切り替えは、しばしばストレスやトラウマによって引き起こされると云います。

 ♪朝がくれば デイヴィット ♪戯ぎ過ぎてる ♪淋しそうなシンデイ ♪目と目があえば・・。

 この詞が胸に響きます。主人公はデイヴィット?歳の頃なら30半ばでしょうか。シンデイーは彼の恋人でしょうか。幼馴染かも知れません。彼女は、彼を、この多重人格の地獄から救い出そうと試みているのかも知れません。映画なら、彼女は弁護士の様な仕事を生業としていたかも知れません。

 コンサートでも時折歌われる人気曲のひとつです。2004年の「cinema」コンサートでも歌われています。JAZZテイストなバラードだと思います。ステージでは真梨子さんの妖艶な歌唱が光ります。大人の女性の底力と云うか、圧倒的な母性を感じるのは小生だけでしょうか。デイヴィットの未来は明るいのかも知れません。

 いよいよ最後です。「16.夜明けを裂いて一羽」。「悲しまないで」。「for you …」を生んだ、大津あきら、鈴木キサブローの黄金コンビの作品です。

 流石に大津あきら、鈴木キサブローの作品だけあって、良質のバラードだと思います。真梨子さんのハスキーボイスが歌に温かみを持たせているように思います。恋人同士の別れの歌ですが、真梨子さんの優しい、柔らかな、そして、パンチのある歌唱が、悲しみの先に見える希望の光を灯しているように思えます。

 彼の夢を叶えるべく、彼女は身を引いて彼の背中を押すのです。二人で暮らした日々は無駄ではなかったと互いに納得しあっての別れ、否、それぞれの旅立ちです。敢えて、「千秋楽」に、この作品を選択した真梨子さんの思いが分かる様な気がします。

 以上で、「真梨子さんDEスケルトン」も大団円です。パスルの答えは、「レコーデイング」でした。賞品は、2002~2003コンサートツアー「time of love」の「ツアーポスター」です。小生も、告知に従って、官製はがきで応募したのですが、外れました。抽選で5名ですから、当選確率は相当にハードルが高かったかも知れません。選に漏れたのは残念ですが、パズルを解く過程は、真梨子さんの魅力を様々に再認識出来た楽しいプロセスでした。