「高橋真梨子 大辞典」掲示板で、気分が上がる曲 Best3」を募集しています(2024/05/24現在)。投稿フォームでは、「この曲を聴いたら気分が上がる。盛上る」と云う曲名と、その理由を求めています。

 真梨子さんには、300を超えるオリジナル作品があります。小生の場合、公私の波乱万丈の節々で、真梨子さんの歌声に癒され、未来を切り開く勇気をもらった気がします。

 「気分が上がる曲 Best3」。難題ですが、取り急ぎ、「バイバイ」、「この気分が好きよ」、「背中から撃たないで」の3曲で、どうでしょう。

 「バイバイ」は、 作詞鮎川めぐみ、作曲は茂村泰彦。「バイバイ」で小生が思い出すのは、真梨子さんのステージパフォーマンスです。小生の記憶の中では、真梨子さんがお臍を露わにしたマリンブルーのミニドレスを纏い、純白のショートブーツを履いて、華麗なステップで舞台狭しと縦横無尽に歌いまくるパフォーマンスです。

 真梨子さんの可愛さ大爆発のパフォーマンスです。男女の恋愛の光と影を宇宙規模で壮大に歌い上げています。我々一人ひとりの愛憎等、宇宙や地球の歴史から観たら、芥子粒にも満たないと歌っています。人間の葛藤を明るく矮小化した人生の応援歌で、聴く度に気分が、大盛り上がり請け合いです。

 「この気分が好きよ」。真梨子さんのラストツアーでも、会場の盛り上がりは「この気分が好きよ」で頂点に達した様に思います。会場全体が体を揺らして踊っていました。真梨子さんがリスペクトする柳ジョージの傑作は30年の時を経ても色褪せません。ヘンリーバンドの新たな編曲で新しい命が宿った様に躍動していたのです。

 パーカッションのマロさんが持ち場を離れてタンバリンを駆使したダンスパフォーマンスを見せてくれました。ヘンリーバンドの面々を交えたダンスも見物で、オジサンバンドが良い味を出していました。

 歌い終わった真梨子さんは「やれば出来るじゃない。云ってみるものね」とご満悦で、「ありがとう。ゆっくり座ってね」とファンを労ってくれました。

 「背中から撃たないで」。ジャズプレーヤーの父を持ち幼いころからジャズその他の洋楽に触れてきた真梨子さんの感性はロックでもブルースでも何でも自分のものにしてしまうのです。この「背中から撃たないで」でも和製ロック歌手たちが束になっても敵わない独自の世界を作り上げています。「ガラスの雨」はどんな雨か彼女は明確なメッセージを我々に投げかけます。

 「ガラスの雨」は恋や愛や男と女の葛藤がない交ぜになった人生の脆さや危うさを象徴するものとして彼女は聴衆に訴えかけてきます。そして「ガラスの雨」はピアスになる。ピアスは男からの贈り物か。そうだとすればそれは男と女の一時の愛の記念碑かも知れません。それともピアスは今日こそ男と決着をつける覚悟を決めた女の強い意志の現われか。

 破局の覚悟を決めた、大人の女性の芯の強さに心揺さぶられます。仕事や家庭の些事に、くよくよと思い悩む我らを叱咤する一曲です。