「真梨子さんDEスケルトン」。「タテのかぎ」を続けます。「5.そっと コートの襟を立てる仕草は」。これ、難問かも知れません。タイトルが喉元迄出掛かっているもどかしさを感じます。

 「テンダネス」です。同じ歌い出しでも、2コーラス目でした。1コーラス目の「急に街の灯がつく」とくれば、すぐに分かったのですが・・・。作詞は、真梨子さん、作曲は水島康宏。1992年発売のアルバム「Lady Coast」収録の真梨子さん屈指のバラードだと思います。水島さんは、真梨子さん最大のヒット曲と云われる「ごめんね・・・」の生みの親でもあります。

 2024年2月17日(土)放送のBSフジ「輝き続ける高橋真梨子」に出演したソンガーソングライターおかゆが、真梨子さんマイベスト3に、この「テンダネス」を挙げていました。「真梨子さん命」と公言する、おかゆさんの真梨子愛は半端ないと思います。

 ちなみに、小生は、「テンダネス」について、次の様に綴った過去があります。「この歌大好きです。真梨子さんの作品の中では「for you …」や「フレンズ」等と並んでバラードの傑作に数えられるのではないでしょうか。愛する男を待って更けてゆく夜の女心の不安や葛藤が見事に描かれています。「Woh テンダネス♪」の歌唱が心に染みてきます。男は来るのか来ないのか。ヒロインのいじらしさに同情するのは、小生だけではないでしょう」。

 更には、「季節は、年末、クリスマス前後でしょうか。彼女は、彼との破局を自覚しながら寒波の中、家路を急ぎます。今夜も彼は、やって来ないと知りながら、彼女の心を翻弄するのは、彼との様々な楽しい思い出です。

 去年は、同じ頃、星明りの下でキスを交わしたのかも知れません。彼の唇の暖かさが艶めかしく彼女の脳裏に蘇ります。思い余って、彼女は、彼のマンションを訪ねたのかも知れません。懐かしい、彼の足音が恋しかったのかもしれません」。

 「何度目かの恋が、彼女の肌の上を通り過ぎたのです。ひとつの恋が終る度に、彼女は大人になっていくのです。幼かった、彼女の恋心は、やがて、大人の愛に変貌を遂げるのでしょう。彼女の心も強くなっていきます。同時に、男を観る目も肥えて来るでしょう。

年齢も、アラサーでしょうか。仕事も恋も脂が乗って来るでしょう。今回の失恋は、彼女のキャリアにとって必要なことだったのかも知れません」。

 「6.別れの朝ふたりは」。これはもう、すぐに分かります。「別れの朝」ですね。真梨子さんの古巣、ペドロ&カプリシャスが世に出た出世作です。現在では、真梨子さんのオリジナルの様に思う向きも少なくありませんが、実際はカプリシャス初代ヴォーカル前野曜子のヒット曲です。

 前野さんも真梨子さん同様、少しハスキーでソウルフルな歌唱が持ち味でした。カプリシャスを離れた後も、松田優作主演「野獣死すべし」の主題歌等で活躍しましたが、薬物使用の噂などもあって、若くして他界されています。真梨子さんも当初は、「私の歌ではない」と歌唱に躊躇する時期もあったものの、今ではすっかり真梨子ワールドです。