デイナーショーの良いところは「呑みながら鑑賞できる」ところでしょう。小生も芋焼酎のロック片手に真梨子さんを堪能しました。お酒が入っているので、曲順は記憶が飛んでいます。

 ただ、何を歌ってくれたかは覚えています。順不同で、「桃色吐息」「陽かげりの街」「ジョニイへの伝言」「五番街のマリーへ」「枯れない花」「so in love」「old time jazz」「グランパ」「for you…」「ごめんね」「心のメッセージ」「Unforgetable」くらいだったでしょうか。基本的に今年のコンサートツアーと同じメニューでやってくれました。

 ただ、残念だったのは「桃色吐息」がセルフカバーバージョンの「エンヤ風」アレンジでなく従来型だったことです。やはり、コンサートと同じようにヘンリーさんと万照氏が真梨子さんの左右で大太鼓を叩くパフォーマンスを見せて欲しかったものです。

 「陽かげりの街」は「ラテン風」アレンジで満足でした。なにより小生は「so in love」と「心のメッセージ」が大好きなので、これは大満足でした。久しぶりの生の真梨子さんは最高でした。

 そういえば、小生的には真梨子さんの紅白出場は少し?だったのですが、真梨子さん曰く「40周年だから出ても良いか」と決断したという話には納得でした。真梨子さんは、そうでなければ「大晦日はお節を優先」すると会場の笑いを誘っていました。

 真梨子さんは、NHK紅白歌合戦に合計で6回出場しています。ペドロ&カプリシャス時代に1回、ソロ歌手として5回出場しています。

 カプリシャス2代目ヴォーカル高橋まりとして、1973年に紅白初出場を果たしています。歌ったのは、もちろん、「ジョニイへの伝言」です。

 真梨子さんは、1978年にソロデビューを果たしますが、暫くシングルヒットに恵まれない日々が続きました。しかし、1984年、遂に真梨子さんの歌唱力が世間の耳目を集めました。そう、「桃色吐息」です。

 深夜帯を中心にカメリアダイアモンドのCMで流れた「桃色吐息」は、あっと云う間に若者を中心に世間に浸透していきました。そして、遂に高橋真梨子として紅白に初出場を果たしたのです。ただ、真梨子さんは、「ヒールが痛かった記憶しかない」と笑わせます。

 その後は、幾度か、NHK側からオファーがあったそうですが、真梨子さんは年末年始に仕事を入れない主義を通して、紅白とは無縁でした。

 しかし、2013年、真梨子さんは、満を持して3回目の紅白出場に踏み切ります。メジャーデビュー40周年の節目に紅白出場を決断したのです。

 真梨子さんの40周年記念ベストアルバム「高橋40年」も大ヒットを記録し、真梨子さんの紅白出場の環境も整っていました。

 29年振りの出場となった紅白で真梨子さんは、紅組のトリを任されました。カプリシャス時代を含めても3回目の出場で異例の抜擢です。真梨子さんは、期待に違わず圧巻のパフォーマンスでお茶の間を魅了しました。曲は、もちろん、「for you…」でした。