本日、世田谷区成城にある東宝スタジオ内で、高橋判明監督による日韓共同制作映画「道ー白磁の人」のスタッフ試写会があり、関係者というほどではないのですが、行って参りました。

成城学園前駅から徒歩10分。閑静な住宅地を抜けたところにスタジオはありました。


かいたん☆かいたん 八ヶ岳縄文人への道
スタジオの正面では、あのゴジラ像が出迎えてくれました。


かいたん☆かいたん 八ヶ岳縄文人への道
広いスタジオ内の一角にあるポストプロダクションセンター。試写会はこの2階の試写室でありました。試写室といっても、最新設備の200名ほど入る豪華な席の映画館でした。


この映画は、明治の中ごろから昭和の初めにかけて生きた林業技師の浅川巧(山梨県八ヶ岳山麓出身)という実在人物を追った作品です。彼は、日本に強制併合されていた朝鮮国に渡って、荒れ果てていた多くの山の緑化をすすめる仕事に携わり、当時主流であった成長の早い外来種を植林する方法ではなく、地元で採取した朝鮮カラマツの種を「露天埋蔵法」(浅川巧が発見した、地元で採集した種を地元の山の土に戻して発芽させる方法)で育てた苗を使って植林することで、大きな成果を上げました。

一方で、日本総統府による朝鮮民衆の弾圧に抗議して、民族衣装チョゴリを着て行動し、朝鮮の人たちと同じスタイルで生活しました。その中で、兄の薫陶も受けて、朝鮮民衆が普段使いしていた白磁の雑器の美しさに注目し、日本にも紹介、柳宗悦が提唱した民芸運動に大きな影響を与えたと言われています。その柳とともに、朝鮮民衆の誇りともいえる工芸品を保護すべく「朝鮮民族美術館」の設立にも尽力。周囲の多くの朝鮮の人たちから慕われ、40歳という早い死を迎えた時には多くの朝鮮の人たちが彼の棺を担ぎ、手厚く朝鮮の地に葬り、その墓は第二次世界大戦を経た後も、心ある韓国人の善意により守られて来ました。

この映画では、この浅川巧を俳優の吉沢悠さんが熱演。誠実でひた向きな彼の人生を見事に演じ、まさにハマリ役でした。浅川を助手として助け、朝鮮民衆の激烈な反日感情との間で苦悩する青林を韓国の人気俳優ぺ・スビンさんが演じ、その演技も主演の吉沢さんを凌ぐほどの好演でした。

不幸な歴史に目を背けることなく、日本総統府の横暴な行為や朝鮮民衆の怨みも誠実に描き、木がつなぐ日本と韓国の新たな関係に思いを寄せる作品に仕上がっています。撮影が昨年7月末から3ヶ月という強行日程での撮影でしたが、韓国政府の支援も含め、韓国側の絶大な協力を受けての完成です。


かいたん☆かいたん 八ヶ岳縄文人への道
最新のチラシ(表)

かいたん☆かいたん 八ヶ岳縄文人への道
最新のチラシ(裏)

全国のティ・ジョイ系列の映画館(東京では新宿バルト9や有楽町スバル座など)で6月から、韓国と同時にロードショーが始るそうです。

ロードショーの折には、ぜひご覧下さい!!

(追伸)ジャズピアニストのハクエイ・キムさんの弾くエンディングテーマ曲も素敵でした!!