今日、久しぶりに新潟市南魚沼市にある(有)樋口鉄工所の常務・樋口尚人さんから事務所のパソコンにメールが入りました。


本日は弊社の「ぬか釜」をご覧頂けるイベントをご紹介いたします。今週末19,20日に行われる「さいたま市農業祭」で南魚沼産コシヒカリの新米をぬか釜で炊き皆様にご賞味いただくことになりました。実際にご覧いただき味わっていただくとその魅力がお分かり頂けると思います。東京からは少々遠いようですがお時間と興味があればぜひおいで下さい。詳しくは下記サイトをご覧ください。

http://www.city.saitama.jp/www/contents/1223942706928/index.html


樋口鉄工所はごく普通のまち工場。今年7月に東京国際ブックフェア・農文協ブースで行った「東北復興市」では、わざわざ新潟から「ぬか釜」の現物を持ち込み、初日は1日その脇で解説も行ってくれました。ふだんは、工業用の金型から農業用の農具まで、小さいものから大きなものまで、様々なものを依頼されては器用に制作する鉄工所です。昨年は、雑誌『現代農業』の記事を見た農家の人に頼まれて、チェーン除草機のアタッチメントも作ったことがあるといいいます。このときはチェーンを農家が持ち込んだため、あまり儲けにはならなかったといいますが、お客さんの要望を無事形にできたことに満足している様子で、お金ではないところでお客さんとの信頼関係を築いているようです。


「ぬか釜」とは、籾殻を燃料にして羽釜でご飯を炊く道具です。昔は農村では昭和30年代頃まで広く使われていたようです。職場の隣の席の秋田出身の同僚も、小さい頃に横手市の実家で使っていたとのこと。籾殻に杉の葉っぱを燃やして火をつけると、火が消える頃にはおいしくご飯が炊き上がっているとのことでした。おそらく竈で羽釜を使ってご飯を炊く時には、よく「初めチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」というよに言われますが、ちょうど籾殻の燃える際の火力の変化や持続性がそれに近いのでしょうね。


かいたん☆かいたん 八ヶ岳縄文人への道
樋口鉄工所がなぜ、このぬか釜に注目するようになったのでしょうか。理由があります。


何年か前にNHKの大河ドラマで新潟県を舞台にした「天地人」が放映された時、南魚沼ではロケが頻繁に行われ、出演者が常時滞在し、観光客も増えたといいます。南魚沼を訪れる人たちに美味しい地元産のコシヒカリを食べてほしい!そう願う旅館のおかみさんが、ぬか釜で炊いたご飯が美味しかったことを思い出し、その製作を樋口さんのところに依頼してきたといいます。樋口鉄工所では会社を上げてその開発に取り組みました。籾殻の火が消えるまでにご飯が炊き上がるために、空気を取り込むための側面の穴をどれだけの大きさにし、どのくらいの数にするかなど、何度も試行錯誤しながら、ようやく今の形のものを開発したそうです。


ガスでも薪でもない。ましてや、石油や原発による電気でもない。農村ならどこにでも捨て置かれているような籾殻を使う。究極の自然エネルギーであり、素朴でありながら、最も熱を効率的に活かす方法ではないでしょうか。おススメの一品です。写真のセットが確か3万2千円ほどだったかと思います。


★樋口鉄工所 「ぬか釜」
http://higu-tec.com/products/nukagama.html