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~ありのままで~

小学生のとき、プロ野球選手になりたいと思った。

しかし、その夢は、あっけなく散った。
かっくん、ずば抜けていた。

同級生であまりにもうまかった。

速攻であきらめた。

生まれて初めての、「がくっ。」かな。かっくんから、がくっ。(笑)って感じ。
そこからは、応援にまわった。

かっくん、プロ野球選手になってほしいなあ。
そんな気持ちだった。


同級生の動向でもっとも気になった。
というか、かっくんほど、将来の興味
を持った人はいなかったなあ。

東海大相模高校に進学し、
1年生から6番でレギュラー。

うれしかったなあ。

「きたぜーー、」って感じで。さすが、かっくん。

しかし、怪我で野球の道を断念。

いまだに残念な思いがある。

1年に1回くらいはその感情になる。
「もしけがしてなかったら、・・・」

かっくん、プロ野球選手になってほしかったなあ。

そして、僕、
43歳、会社社長。


僕の今の夢。

「レーサーになりたい。
D1のレーサーになりたい。」

42歳でサーキットに初めて行った。

無理な可能性のほうが高いに決まっている。

でも、数パーセント、可能性がある。
今心から思う。

「レーサーになりたい。」 
どこまでいけるかわからないが、
D1、もしくはD1ストリートリーガルのレーサーに。


ドリフトも、さらに上、さらに上、さらに上のカテゴリーがある。

そのトップカテゴリーの選手と、僕の今の技量は、接点がない。

自分が正直思うことは、「かなり厳しいなあ。」

それが、率直な感想です。

日比野さんに一生勝てないこともわかっている。

わずかかもしれないが、日比野さんに負けても、
D1選手にはなれる可能性がある。

そのわずかな可能性にかけたい。

乗り越えてみたいって、思ってしまったんだ。

もし、今僕が進路指導で先生に夢を語ったら、
ほとんどの先生は、
「そんな年齢から、できるわけがない。」とか、
「お前じゃ無理だ。」
と鼻で笑うだろう。

僕は、そんな人生だった。

鼻で笑われ、見返してやるって。

中3の一学期の9教科合計内申点28。
「時習館に行きたい。」

「時習館?不可能だ。」と笑われた。

「普通科はお前は無理だ。今のお前は普通科に入れない。時習館なんてとんでもない。」

こんな風に言われて、へこむか、むかつくか、
のどちらかかもしれない、普通は。


自分は、どちらでもなかった。

現況から考えて、先生がそういうのは仕方ない。

おれの本当の能力を、先生じゃあ、見抜くの無理だろう。(笑)
見たいな感情だった。

見返してやる、というのは普通馬鹿にしたやつに対する
うらみみたいな感情だろう。

でも、自分はそうではなく、
「サプライズを与えてやるぜ、先生。」

「先生、待ってろよ。」
見たいな感じ。

今の状況は、あの中3と同じようなもんだろう。

笑う人、馬鹿にする人、いて当然です。

全然問題ない。

43歳、サーキット歴1年。

レーサーになりたいんです。

心から思う夢なんです。

夢に出会えた。

そのすべてに今感謝します。

その夢を実現したい。


そして、学校で無理だと笑われる子たちを、
合格へ導きたい。

君の志望校を開拓したい。

君の夢の一歩を開拓したいんだ。

高校の進路指導とは、なんだろう?

進路指導とは、今行くことができる高校を教えることではない。
進路指導とは、今希望する高校を「無理だ。」と教えることでもない。

進路指導とは、子供が望む高校へどうやったら行くことができるかを
指導者自ら模索し、それを伝え、いっしょになって実現すること。

それが、本当の進路指導だ。

進路指導は、評論家じゃだめなんです。


子供の夢を実現させてあげないと。
そのために必死になって考えたり、教えたり、
プリント作ったり、補習したり、励ましたり、心から応援したり。


今、僕は、年甲斐もなく、とても困難な夢に
向かっている。

「いつか、実現したいなあ。」 応援してくれる人たちもいっぱいいる。

だからこそ、

カイタク生、職員に勇気を少しでも与えれたらいいなあ。

今、僕は夢の途中。


今、夢という一つの終着駅へ向かって、
希望という駅にいます。

希望という駅から、
夢駅へ。

夢駅までは、新幹線のまさに希望である、のぞみのように
ノンストップで、花の都とはいかないだろう。

僕の人生は、各駅停車。

不安駅に止まったり、苛立ち駅、むかつき駅、へたくそ駅、
数々の駅に止まる。

だけど、それでも進んで行くんだ。

どんなに遅い列車だろうと、
列車は、愚直なほどレールの上を、ひたすら
前にすすむ。

僕は、各駅停車。

だから、後ろに進まない。

そして、夢という駅に向かう。

今、僕はちょっとだけ希望駅でくつろいでいる。

僕は希望駅で缶コーヒーを飲みながら、
「僕の未来雑誌」を読んでいる。ちょっとタバコを吸いたいなと思いながら。

発車のベルが鳴る。

コーヒーを飲みほした。
雑誌も閉じた。


さあ、出発だ。



列車が、カタコトと、動き出した。

列車から、片言が、聞こえてきた。


「今,僕は夢の途中。」




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