業務委託契約の悩みポイント4 | どんなに難しい契約書でもわかりやすく解説します

どんなに難しい契約書でもわかりやすく解説します

難しい契約書でも、わかりやすく簡単に説明できる、
契約書専門10年以上の経験を持つコンサルタントです。

おさえるべきポイントが、


1 情報が漏洩する可能性が高まる
2 もしかすると納期に間に合わせてくれないかもしれない
3 期待したとおりの品質に仕上がらないかもしれない
4 業務の責任の所在が不明確になるおそれがある
5 知的財産権など目に見えない権利の取り扱いが曖昧になる
6 再委託など業務のすすめかたの方針、流儀が合わない


とリストアップできたところで、契約交渉の具体的な留意点は次の通りである。


①契約の目的から、契約期間と業務内容の具体的な部分を記載すること

②発注金額(予算におさまるか)を確認すること

③不履行の予測と、その対応や賠償についてとりきめること

④情報関係、特に秘密やノウハウの漏えい、知的財産権の保護について確認すること

⑤契約の品質が保たれるかどうかと、検収基準など品質維持のための手段を決めること

⑥業務委託契約は一般的に継続的契約関係(長期契約)になるが、解除されることも、あるいは自社から解除を求められるようにしておくべきケースについても想定しておくこと



ざっとこのようなポイントを条項に盛り込んでいくために、交渉していく。


簡単に書いたが、たとえば金額にしても、値段と予算との対応だけでは決められないことが多い。なぜなら、委託した相手が具体的にどのような業務を実施してくれるかは、詳細に確認しなければわからないからだ。つまり予実管理に必要な情報をあらかじめ収集しなければならないのである。

こちらは全部おまかせできると思って価格設定したとしても、いざ作業にとりかかってみると、基礎的な部分はやるが詳細は別料金だった、あるいは機能のいくつかはオプションで、追加料金や追加の契約を要する仕様だった、となるおそれはないか。

当然、予算内におさまるともくろんでいても、後から追加料金がかかり、予算オーバーしてしまうというリスクがある。どの範囲の業務を、どの範囲の金額でやれるのかは、細かく確認していくほかない。