お早うございます。今日も見に来て下さり有難う御座います。今日はあなたを別世界にご案内しちゃいます。
村の駐在所事件簿シリーズ第一弾です。ではどうぞ
村の駐在所事件簿
鬼に捕まった米泥棒
秋雨があがり稲刈りの終わった田圃に夕日が射した。その晩村の長者の一番蔵に泥棒が入った。泥棒は米俵を三俵盗み出して立ち去った。翌日の朝家の者や村人が集まって来た。なんだ 「なんだ なんだ」
「米泥棒らしいぜ」
知らせを受けたお巡りさんが取り調べにやって来た。
「ふーむ、米俵を荷車に乗せて運んだに違いない、車の跡がくっきり残っておる」
荷車の跡は蔵から村はずれの神社の方へ向かっていた。お巡りさんを先頭に鍬や鎌を持った村人達が跡を追った。
昨夜隣村からやって来た泥棒は、米俵を荷車に乗せ人目を避けて脇道に入った。最初は道幅も広く快調に飛ばしていたが、村はずれに近かづくにつれ道幅が狭くなり夜露が降りかかってくる。
「あれっ、急に荷が重くなって来たぞ、こりゃあどうしたことだまるで蔵ごと引き摺っているようだ。」はあはあ息をきらす泥棒に、濡れたススキの穂が顔を撫でる。
やっと神社まで来ると荷車を木の陰に放り出してお社の中で一服することにした。
「こりゃいかん、急に眠くなって来たゾ」
泥棒はむにゃむにゃ言いながらすっかり寝込んでしまった。寝ていると夢の中に鬼が現れて泥棒を喰おうと追いかけて来た。泥棒は林を抜け小川を飛び越えて逃げる。一匹だった鬼は追いかけているうちに次々と増え、あっちからもこっちからも出て来て追いかけて来た。
遂に一番大きな鬼が追いつき泥棒の着物の裾を掴んで引っ張った。鬼の荒々しい息が首筋に迫って来る。
一方神社の近くまで追いかけて来た村人達は林の中に米俵を積んだ荷車を見つけた。車輪の軸にはススキの穂が巻き付いて絡まっていた。
「お社の中から叫び声が聞こえるゾ」
「助けてくれぇ 助けてくれぇ 喰わねえでくろー」
皆でお社の扉を開けて中に入ると、着物の裾が割れた床板に挟まってもがいている泥棒が抱き着いて来た。泥棒はお廻りさんの足元に座り込み「助けてくれぇ」としがみ付いた。
(おしまい)
今日は一週間の真ん中の水曜日です。会社にお勤めの方、あと三日頑張りましょう。でもあんまり力まないで自然体でいこか。今日のお話少しは和んで頂けたでしょうか。では行ってらっしゃーい。
引きこもりのあなた、早朝はだいぶ涼しくなって来ましたね、たまには誰も居ない早朝の街を散歩してみませんか、秋を探しに。
