昨日、知り合いのカメラマンN氏と居酒屋に行った。

彼と会うのも久しぶりだが、飲みに行くこと自体も
久しぶりである。

2人でカウンターで飲み始め、生ビールからウーロン割りに
移行したころ、ボクの隣に座っていた60前くらいのおじさんが
話しかけてきた。

見ると、彼は一人で来ているらしく、すでにだいぶ
酔ってる様子だ。

ボク的には久々に会ったN氏とゆっくり話したかったのだが、
オジさんは「オレのおごりだから飲んでくれよ」とボクら用に
勝手に頼んだおちょこ2つに日本酒をジャバジャバ注ぎながら
執拗に話しかけてくる。( ̄∀ ̄)/□☆□\('Д`Ⅲ)

まいっちゃうなぁと思いつつ、適当に相づちを打ちながら
話を聞いていると、オジさんが店内を見渡してこんなことを
漏らした。




「オレがニューヨークに来た頃、日本食レストランは
たった3件だったのに、今じゃ1000件あるんだってな」





今や、道ばたのデリのお惣菜コーナーに寿司が売られてる
時代である。Made in USAの若干ぽっちゃりし過ぎの人々が、
コーラ片手に「やっぱりジャパニーズはヘルシーだわねっ」と
いいつつ寿司にガッツク時代である。



どれだけ昔の話か想像がつかないので聞いてみた。





「いつごろこっち来たんすか?」












「1962年。
まだケネディが生きてたよ」











「古っ!!」  Σ(°Д°Ⅲ)JFKテッ!!




在米43年…。
オジさんは26歳で渡米してきたらしい。

ってことは今69歳だ

オジさんというより完全無欠のオジーちゃんである。


なんで69歳のオジーちゃんが一人で居酒屋にいるのか?
日本ではよく見かける光景かもしれないが、ここニューヨークの
居酒屋で一人で飲んでいる老人はほとんど見たことがない。


さすがにそこまで込み入ったことは聞けなかったのだが、
そんなボクらの表情を察したのか、オジーちゃん自ら話しだした。



「ずいぶん前に離婚してね。今じゃこうして一人で
 飲み歩いてるわけだ(笑)」





別れた奥さんは元ミス○○(有名航空会社)に選ばれたほどの
美人だったらしく、懐かしそうに奥さんの話をしてくれた。
別れているのに、なんだか誇らしげだった。



しばらくして、ボクとN氏は「じゃあいつかまたこの店で!」と
オジーちゃんと別れて店を出た。



すると、普段は結婚なんかしたくないと言ってるN氏が、
「年取ってから一人ってなんか悲しいなぁ」とポツリ。



二人とも結婚もしてないのに、

「奥さんは大事に!離婚だけはしない!」

とムダに早すぎる誓いを立て、2次会へとなだれ込んだのでした。




その日の帰り道、Rからの電話。

彼女の声がいつもより2割増かわいく聞こえたボクは
やっぱり単純過ぎるだろうか (●´ェ`)






甲斐性なし