寿退社っていうと、女性がするものだと子どもの頃から
なぜか知っていて、子どもながらに


「結婚したら働かなくていいなんてうらやましいなぁ。
あぁ、ボクも結婚したら仕事やめて一日中部屋で
ドラゴンボールを読んでられたらなぁ…」


なんてことを考えていた記憶がある。うーん、男気ゼロ。
当時から甲斐性なし気質があったのネ…_| ̄|○


しかーし、それから10数年後、社会人になったボクは

男の寿退社に遭遇したのだ!

そいつはテレビ制作会社の同僚で、同期入社のH。
当時は入社して1年半くらいだったから、バリバリのADで
ボクもHも身体面、精神面、経済面、すべてにおいて
追いつめられた生活を送っていた。

そんなある日、Hがいきなり


H 「オレ、結婚するんだ。
  披露宴は身内だけでやるんだけど、
  二次会のパーティに来いよ」

甲「はっっっっ!? マヂ!?」


この告白だけでものけぞるほど驚いたけど、
そのあとに続いた奴の言葉がさらに衝撃だった。


H 「で、そしたらオレ、会社辞める

甲「ああ寿退社ね、…って、お前がかよっ!!!


いくら安い給料(手取り12万くらい)だからって唯一の収入源を
失ったら奥さん養っていけないだろと思ってたんだけど、
当日、パーティに行って謎が解けた。




奴の奥さん、



歯医者の開業医でした。。。。┌(_ _)┐マイリマシタ



で、よくよくHに聞いてみると、奴は会社を辞めて主夫になる
わけじゃなく、腰を据えてじっくり就職活動をするらしい。

確かに、当時の状況では、いかにその日の仕事をやっつけるかと
月末までどうやって食いつなぐかでイッパイいっぱい。そう言えば
月末は電車賃がなくて、よく会社に泊まったっけ。

そんな生活だから、もっと条件のいい会社を探そうにも、
時間と活動中に食いつなぐ経済的余裕がなかった。

Hは結婚直後、オーバーMy給料なマンションに新居を
構え、じっくり就職活動を敢行。奥さんの存在と経済的な支えが
心の余裕まで与えたのか、後日奴は見事、制作会社ではかなり大手
に再就職した。

そのときが奴にとって退社がホントの“寿”になった瞬間なの
かもなぁ。




甲斐性なし