ドイツも大分暖かくなり、ハチ達も飛び始めました。
剪定された新しい切り口から滴り始めた水は葡萄の樹も活動を始めた事を教えてくれます。
剪定も大方終わり、誘引作業を急いでいます。
この時期の枝はまだまだ軽く、折れ易いものです。これを水平に留める仕立て方は中々気を使います。
曲げる所と枝の先を押さえ、誘引線に軽く巻き付ける様にし、2‐3ヵ所を留め具で固定します。巻き付け過ぎたり、留め具が多過ぎたりしては、冬の剪定作業に手間が掛かります。
この時誘引線で冬芽を傷付けてはいけません。冬芽が傷付けば新梢は出て来ません、枝元から折れればそこから先の成長に影響します。 優しく素早く、作業を進めます。
切り口から滴る水は少量のミネラル分を含んでいますが、透明で、一滴舐めたくらいでは味もしません。ドイツ語ではフランス語のpleurs同様にRebtränen=葡萄の涙や、英語の様にbleeding=Rebenblut=葡萄の血、もしくは単にRebwasser=葡萄の水と表現されます。
個人的にはこれも葡萄の樹の生育活動なので『水』で良いと思いますが、これが『葡萄の涙』なら春の訪れに対しての嬉し涙です。
この水は植物の保護メカニズムで殺菌効果があり、雑菌から切り口を保護し、樹脂膜を作り切り口を塞ぎます。
古代ローマの頃より『葡萄の涙』には様々な薬効があると信じられて来ました。
皮膚病や目、耳の痛み、頭痛に効果があり、オリーブオイルと混ぜ脱毛剤としても用いられたそうです。
現在でも『葡萄の涙クリーム』等はドラッグストア等で見る事が出来ますが、根拠に基づいた医療効果は無いとも言われます。
まだ芽吹かぬ葡萄の樹は冬場と一見変わりませんが、これから日々膨らんで行き萌芽も直ぐそこです。
ようやく迎えた春を感じられる第一歩です。

