日当たりの良い広大なワイン畑では日陰を見付けられません。冬は冷風に吹き付けられ、夏は直射日光を浴びて働きます。
そんなヴィンツァー(Winzer/ワイン農家)達の休息の場として、時には避難場所として畑には多くの小屋(Weinberghäuschen)が点在します。こういった小屋にも色々な形があり、地域性も見て取れます。ラインヘッセン地方で見られるのがトゥルロ(Trullo)と呼ばれる直径3~4m、高さ5m弱の円錐形をした白い小屋で、壁の厚みがあるので中は外見以上に狭いものです。畑から出た石を積み上げた原始的な構造をしています。
18世紀中頃、イタリア南部、アプリア地方出身の季節労働者によって故郷の石屋根の家(トゥルーロ)をモデルに造られたといわれています。
避難場所の意味もあったことから目を引く場所にあります。現在では昼休み等は車の中で取るので小屋を使う事も無くなりました。本来の役目を失いながらもワイン畑の一部としてそっとそこにあり、ハイキングの人達の目を楽しませてくれます。ラインヘッセン地方のフレアスハイム・ダルスハイム村では毎年20戸程のトゥルロを回るサイクリング&ハイキングの催しを行っています、各トゥルロは飲み物やソーセージの屋台になりハイキング途中の疲れを癒してくれます。
新しく漆喰が塗られリノベーションされたトゥルロもあれば、白い漆喰は剥がれ落ち、不届き者がトイレ代わりに使っているものもあります。
役目を失っても文化遺産として地域の人々の手によって守って行きたいものです。


