《菊花賞》
中間に雨で荒れたが金曜午後・土日ともに晴れで、2015年、2016年、2018年のような軽い馬場でのレースが見込めるだろう。向正面中程から3コーナーにかけて荒れていることにも注意。
1ディアマンミノル
H:前走・前々走ともに時計がかかる馬場での競馬で勝ち上がっており、2400mを不良馬場でこなして中一週というのも3000m戦では不安が残る。
2ガロアクリーク
H:△「最も速い馬が勝つ」とも言われる皐月賞好走馬は、たとえ当時人気薄でも3歳秋以降のレースでも複数回好走する傾向がある。父キンシャサノキセキはサンデー系の中でもスピード傾向が強く、速い馬場自体は問題ないだろう。懸念されるのは距離だが、4代母の凱旋門賞馬・ゴールドリヴァーは他にもカドラン賞(G1・芝4000m)、ロワイヤルオーク賞(G1・芝3100m)、ジャンプラ賞(現ヴィコンテッス・ヴィジェ賞・G2・芝3100m)、ポモーヌ賞(G3・芝2700m)を勝利しているスーパーステイヤー牝馬。また、近親のロイヤルレベルはアスコットゴールドカップ(G1・芝4000m)連覇、グッドウッドカップ(G2・芝3200m)、ロンズデールステークス(G3・芝3200m)を勝利している。近親にはブリーダーズカップマイル3連覇などを果たしたゴルティコヴァなども居るが、ゴルティコヴァの父アナバーは典型的な米国型ダンジグ、母父はブラッシングブルームと短距離傾向の血を受け継ぐ馬が父キンシャサノキセキぐらいである当馬と比較するとよりスピードに特化している。クラシカルなヨーロッパの血が流れる母系を考慮すれば、この距離でもチャンスあり。
3コントレイル
S・H:◎京都の芝3000mはスタートしてすぐにコーナーがあり、内枠有利・外枠不利。枠の有利も活かしてスムーズに先行できれば、父ディープインパクト×母父アンブライダルズソング×母母父ティズナウ(マッチェム系)の血統の軽い馬場への適性は圧倒的。昨今の菊花賞はスタミナと同じくらい、もしくはそれ以上に道中溜めて直線での瞬発力が試されるレースであり、実力は言わずもがな。
4マンオブスプリット
H:重賞戦線に出てきてからは全て最後方からの競馬、京都の芝3000mでは追い込みはなかなか決まらない。ハイペースで前が潰し合う展開になる可能性は乏しく、逆転できる要素も少ないだろう。
5サトノインプレッサ
H:父ディープインパクト×母父サーム(欧州型ミスプロ)×母母父プレザントタップ(リボー系)の欧州血統、前走は欧州型の休み明け+出遅れがあり度外視できるが速い馬場には合わないだろう。ダービーに関しては、3着ヴェルトライゼンデからもかなりパワーのいるレースだったとも考えられ、ここで力を出せることには結びつかないのではないだろうか。
6ヴェルトライゼンデ
H:父ドリームジャーニー×母父アカテナンゴ(ハンプトン系)×母母父ビーマイゲスト(欧州型ノーザンダンサー)の欧州血統、やはりこの馬も道悪向き。力を100%活かせる条件には恵まれていない。
7ダノングロワール
H:△父ハーツクライ×母父サイトシーイング(エーピーインディ系)×母母父デヒア(ヴァイスリージェント系)という米国血統、スピードは十分。中長距離経験が豊富で、その適性を既に見せていることに加え、逃げ粘るのではなく溜めて中団から差すというこのレースで一番効率的で強い戦法を得意としている。勝ち上がった未勝利戦(東京芝2400m)以降、前走までの4レースは上がり3ハロン1位、2位、1位、1位と瞬発力も申し分ない。国枝厩舎多頭出しも魅力。
S:▲ハーツクライ×典型的な米国系という配合で軽い馬場で強い馬。しかし近2戦は稍重のレースで、パフォーマンスを最大限に発揮できる条件で出走していない。距離延長で挑むレースは3戦3勝である点も魅力だ。
8ディープボンド
H:先述した通り、ダービーは好走馬の血統を見るに良馬場の中でもパワーの要るレースであった仮説が考えられ、この馬の5着もそうした馬場条件が影響したものと考えると、母父キングヘイロー(リファール系)の欧州の血が比較的色濃く出ているとも見れる。キズナ産駒自体もスピード特化の血では無いので、今回は厳しいか。
9アリストテレス
H:○父エピファネイア×母父ディープインパクト×母母父トニービンの血統、3代母はフサイチコンコルドやアンライバルドの母として知られるバレークイーン。父エピファネイアこそロベルト系だが、瞬発力を武器とする血統を母系から多く受け継いでおり馬場に合い十分チャンスがある夏の上がり馬、相手候補筆頭か。
10サトノフラッグ
H:△前走はバビットがスローで完璧な競馬をし、展開に泣いた形。父ディープインパクト×母父ノットフォーセール(グレイソヴリン系)×母母父コンフィデンシャルトーク(ダマスカス系)で母系の米国(及び南米)血統からもやはり適性は軽い馬場にあろう、ダービーはパワータイプの馬が有利だったと見て度外視すれば今回はチャンスありか。
11バビット
H:父ナカヤマフェスタ×母父タイキシャトル×母母父ヌレイエフ×母母母父ミルリーフというパワー種牡馬が詰まっており、ナカヤマフェスタはステイゴールド産駒で母父タイトスポット(リボー系)とサンデー系の中でも特にパワーに偏った種牡馬。ラジオNIKKEI賞も稍重、セントライト記念に至っては良馬場でこれより遅いタイムは1997年のシャコーテスコまで遡ることになる。ジョッキーが上手くスローに持ち込んだ結果であることは明らかだが、どちらにせよ軽い馬場ではこれまでと話が別。
12レクセランス
H:父ディープインパクト×母父シャンゼリゼー(欧州型ダンジグ)×母母父ザール(欧州型ミスプロ)の欧州血統、やはり重くてこの馬場には合わない。G1及び重賞戦線に出てからは道中後方からの競馬で、追い込みの決まりにくいコースを考えても厳しいだろう。
13ロバートソンキー
S:○全兄クラークキーは芝1600~1800mで4勝。今年の神戸新聞杯はメンバーの実績も高く、平均的なペースで特別差しが決まる馬場の傾向であったわけではなく、そこで3着に入ったこの馬は実力十分。
H:☆ルーラーシップ産駒が活きるのはやはり軽い良馬場であり、今回の条件と合致。レースレベルも高かった神戸新聞杯3着はダテではないだろう。
14ヴァルコス
H:▲父ノヴェリスト×母父ダンスインザダークで2代母はウインドインハーヘア、すなわちディープインパクトの甥にあたる馬。ノヴェリストはドイツ馬、またモンズン産駒としては珍しく産駒は道悪よりも良馬場の方が良いという馬。また、ダンスインザダークを持つ馬はメンバー全員が初経験の長距離に強い。
15ブラックホール
H:父ゴールドシップ×母父キングカメハメハのパワーに特化した配合で、洋芝かつ道悪という条件が重なった札幌2歳ステークスでは勝利したものの、その後は重馬場のディープインパクト記念4着ぐらいしか良いところを見せられていない。昨今の菊花賞の傾向と馬場を考えれば厳しいだろう。
16ターキッシュパレス
H:母父ディクタットはマンノウォー系ということで速い馬場に強いが、いかんせん父ゴールデンホーン(欧州型ダンジグ)と母母父シャーリーハイツ(グレイソヴリン系)などの典型的欧州血統の影響が強いだろう。勝ち上がったレースは全て道悪、この馬場には向かないだろう。
17キメラヴェリテ
H:△3代母パントゥフラはフロリダオークス(G3・芝1700m)勝ち馬で、その父はファピアノ産駒のルビアノ(米国型ミスプロ)。母父コジーンは欧州系だがスピード傾向があり、母母父オーナーグレーズも米国系ダンジグと軽い馬場には合う。若葉ステークスは3歳の3月としては速い時計での決着になっており軽い馬場への適性は証明済み、チャンスあり。
18ビターエンダー
H:△・S:☆休み明け2戦目は共同通信杯2着、プリンシパルS1着と好成績。父のオルフェーヴルはパワーのある馬だが、母父アフリートアレックス×母母父アンブライダルズソングソングと米国型ミスプロでスピードを補っているため、軽い馬場にも対応できる。
 
買い目(買えないけど)は、
H:ワイド3-2,7,9,10,13,14,17,18 計8点
S:馬単3-7,13,18 各2点
複勝7,13,18 各1点 計9点