NHKマイルC
・近2年での傾向の変化
2015〜2017年の3年間で、前走の上がり3Fタイムが1位だった馬は(0,0,0,7)と惨敗だったが、2018〜2019年の2年間では(0,2,1,2)の複勝回収率506%と、明らかな変化が見られる。また、血統の面でも、2017年以前はクロフネやダイワメジャーなどスピードに富んだ種牡馬が上位を独占していたが、2018年以降はディープインパクトやハーツクライなどのリーディング上位の種牡馬が勝つようになった。
以上の2点から、今日のNHKマイルCでは従来のマイル戦とは異なったスタミナが求められていると推測できる。
・「2歳マイル戦で強く、3歳マイル戦で弱い馬を注視!」
競走馬が著しい成長過程にある2歳・3歳時には、同じ距離のレースでも求められるスピードが異なる。つまり、桜花賞やアーリントンCに比べて朝日杯FSの方がより多くのスタミナが求められるのだ。そして、NHKマイルCが求めるスタミナに近いのは朝日杯などの2歳マイル戦である。つまり、2歳時のマイル戦で人気よりも走ったが、3歳時のマイル戦では人気よりも負けた馬は穴を出し、逆の馬は人気を裏切る可能性が高いのだ。
例を挙げると、朝日杯では1番人気3着、桜花賞では2番人気1着で2019年に出走したグランアレグリアは単勝1.5倍の1番人気に推されるも5着に敗れた。また、2018年1番人気のタワーオブロンドンも同じパターンで大敗。
 
1シャチ
父リアルインパクトはディープインパクト後継種牡馬の中でも短距離傾向が強く、まずスピード寄り。ニュージーランドTでも(出遅れたとはいえ)大敗したように、現時点でGⅠに通用するとは言い難いだろう。
2タイセイビジョン
2歳時朝日杯FSで2着。前走上がり1位、父タートルボウル×母父スペシャルウィーク(主流血統)×母母父エルコンドルパサーとスタミナ寄りの欧州血統でこのレースの傾向に合致する。本命。
3レシステンシア
阪神JFでは4番人気1着、チューリップ賞・桜花賞では人気より負け。これは好走パターンに当てはまる。母マラコスタムブラダはアルゼンチンGⅠ・ヒルベルトレレナ大賞(芝2200m)の勝ち馬で、母母父ポリゲート(サドラーズウェルズ系、凱旋門賞でオルフェーヴルを破ったソレミアの父)の裏付けからもスタミナには問題なし。対抗。
4プリンスリターン
朝日杯FSでは15番人気5着。父ストロングリターン(ロベルト系)×母父マンハッタンカフェとスタミナもある。左回りに関しては父の安田記念勝ちを信頼し、穴で期待。
5シャインガーネット
(職場見学で美浦トレセンに訪れた時にフェアリーステークスの2週前追い切りを見たのですが、素晴らしい馬でした)重馬場のファルコンSで勝ったのはスタミナの表れ。オルフェーヴル産駒ながら母系の米国型血統がスピードも補完しており、瞬発力もあるためこのレース向き。
6ギルデッドミラー
母系は母父ティズナウ(マンノウォー系)×母母父シーキングザゴールド(米国型ミスプロ)などのスピード血統。2歳時のマイル戦では人気より負けていたが、アーリントンCでは人気より勝ったパターン。今回は見送る。
7メイショウチタン
ロードカナロアとマイネルラヴ、スプリンター同士の配合。適正距離は1200〜1400mだろう、このレースには向かない。
8サクセッション
父キングカメハメハ×母父ディクタット(マンノウォー系)×母母父スルームの欧州型血統に1800mからの距離短縮は不向き。全兄にクルーガーはマイラーで、中距離のスタミナが必要なこのレースには向かないだろう。
9ラインベック
父ディープインパクト×母アパパネとスピードタイプの血統。王道血統でマイル戦には向いているが、このレースに限っては不利。皐月賞からの距離短縮はプラスとは思えない。
10ハーモニーマゼラン
父ダイワメジャー×母父シーザスターズ(欧州型ダンジグ)×母母父ガリレオ(サドラーズウェルズ系)とスタミナはあるだろうが高速馬場に向いているとは思えない。血統的には主流血統では無く、瞬発力があるわけでもない。重賞実績にも乏しく、実力に疑問。
11ラウダシオン
父はマイラーのリアルインパクト、母は1000mの未勝利戦勝ち馬と、スピードタイプの馬。マイルよりも1400mの方が好成績で今回は適正が向かない。
12ボンオムトゥック
父はクロフネ、母は1400m戦勝ち馬と、スピードタイプの非主流血統。連勝した未勝利戦と君子蘭賞は1800m、マイルには適性が向かないだろう。
13ニシノストーム
父はマイラーのリーチザクラウン、母はセプテンバーS(芝1200m)勝ち馬と、スピードタイプの馬。1200m戦で勝っており、2ハロンの距離延長は不向きだろう(母父グランデラは欧州型だがダンジグ系でスピード型)。このレースには向かないか。
14ルフトシュトローム
父キンシャサノキセキの血統的にはスタミナで劣るように見受けられるが、デビューから3戦連続で上がりタイム1位で勝っている点は評価したい。直線の長い府中のコースを活かしたレースが出来れば。
15ソウルトレイン
父レッドスパーダ、母チラリともに短距離の馬で、母母父フジキセキからもスピード傾向が強くなっている。スタミナを要するこのレースの傾向には合わない。
16ストーンリッジ
父ディープインパクト、母父はフレンチデピュティで母系の欧州血統を出す。マイルより長い距離の経験などスタミナの点で有利な点があるので△評価。
17サトノインプレッサ
父ディープインパクト×母父サーム(欧州型ミスプロ)×母母父プレザントタップ(リボー系)で血統的にはスタミナ適性あり。瞬発力もあり、休み明け3戦目でパフォーマンスは上がるだろう。道悪でなくても力は発揮するはず、三番手評価。
18ウイングレイテスト
母父サクラユタカオーの影響でスピード寄りに。朝日杯FSでは人気より負け、ニュージーランドTでは人気より勝ったこのレースで敬遠したいパターンだ。
 
買い目(買えないけど)は、
3連複 2-3,17-3,4,5,14,16
2-3-17 2点
ワイド 3-17 6点 計17点