2018年の競馬データを振り返ると、ブルードメアサイアー(競走馬の母の父)リーディング1位はサンデーサイレンス、2位はキングカメハメハ、そして3位にフレンチデピュティが入っています。
フレンチデピュティはこれで6年連続BMSリーディング5位以内という好成績。しかしこの馬、サンデーサイレンスやブライアンズタイム、トニービンといったビッグレース勝ちのある超一流馬とは異なり、現役時代はG2を1勝。種牡馬入りしてからは、クロフネやノボジャックなどを輩出し日本に輸入され、輸入初期には多くの活躍馬を輩出しますが、2006年度以降、2010年のサウンドトゥルーまでG1馬おろか重賞馬まで出していませんでした。
サンデーが亡くなったのが2002年、その後徐々にサンデーの息子たちに押されて行き、フレンチデピュティの種付け頭数は下降線を描きます。
では何故、母の父として再びブレイクを果たしたか、それは皮肉にも、繁殖牝馬をどんどん奪っていったサンデーの子供との相性がとても良かったから。
フレンチデピュティを母父に持つG1馬の父は全て、サンデーの子供です。また、フレンチデピュティは、サンデーサイレンスと同じように母系で馬を変えます。長距離から短距離、芝やダート…相反する能力が必要な馬場、それぞれのスペシャリストを出せる。逆に言えば、中途半端な感じの馬は出さないのです。
血統面から見ても、フレンチデピュティはノーザンダンサー系でも、日本に当時少数派だったヴァイスリージェント系です。同じノーザンダンサーの血を含む馬にも、近親交配が薄くなります。
要約すると
①サンデーサイレンス後継種牡馬との相性
②母系で馬を変える柔軟性
③ノーザンダンサーの血が薄い
これらの特徴を持つ種牡馬は、結構な確率で成功できます。例えば、スウェプトオーヴァーボード。G1馬2頭は母父サンデー系ですし、ステイヤーズS馬とアイビスサマーダッシュ馬を出す距離の融通、ノーザンダンサーは4代前です。
なんなら、ロードカナロアやルーラーシップなどのキングカメハメハ後継種牡馬も、サンデー系と相性がいいからリーディング上位にいるんです。ハービンジャーもG1馬4頭中3頭がサンデーの血を継いでいます。
「サンデーサイレンスとの相性」これがない種牡馬は、現役時にいかに好成績でもダメなんです。
競馬界はサンデーの入っていない種牡馬に飢えていますが、その種牡馬の産駒で活躍する馬にはサンデーサイレンスの血が入っています。競馬界は、もうサンデーの血には抗えないのでしょうか…
話が逸れましたが、初回コラムはこれにて終了です。ツイッターフォローよろしくお願いします!