方程式は使ってよい?
杉並区の個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。
小学生の保護者様からよく聞かれるお悩みをご紹介します。
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毎年あちこちで語られている事ですが、中学生の娘に弟(小6)の算数を見てもらっていたら、消去算を思いっきり「方程式」で教えていました。
塾の定例テストの解答でも「二次方程式的な解答」も載っており、答えだけ書かせる塾のテストではもしかしたら有効なのではと思ってしまいました。
本番では計算過程を書かせて部分点をくれる学校がある事も理解した上での質問です。
果たして小学生に方程式を教えてしまっていいのでしょうか。
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方程式の是非についてですね。
結論から言うと、
・1次方程式は可
・それ以上のものは不可
となります。
というのも、消去算はなにを隠そう正真正銘の1次方程式なんです。
数字を〇で囲んだり△で囲んだりして誤魔化しているだけで、あれはx、yとなんの違いもありません。
ミカン5個とリンゴ3個で360円
ミカン4個とリンゴ5個で470円
この条件の問題を解くには、1次方程式の「加減法」を使いますし、
ミカン5個とリンゴ3個で360円
リンゴ1個はミカン1個より40円高い
これを解くのは「代入法」です。
この問題を、わざわざ面積図を使ってやろうとしたりするのは、かえって面倒だと思います。
これに面積図を使って教える塾やテキストはないでしょう。
だから中学受験は、
すでに方程式の基礎は理解していることを織り込み済で問題が作られているのです。
ただしここでいう方程式の基礎は、3つで十分です。
①いわゆる「加減法」(片方をそろえて消す)
②いわゆる「代入法」(代入して、全部ミカン(orリンゴ)にする)
③移項
これらです。
このうち①と②は、消去算をやった段階で自然に身に付きます。
ちょっとやっかいなのは③で、6年生になると、割合の文章題を解いていくうちにこんな形になる問題に出会います。
③+900=⑦-1100
こんなやつです。
これを解く際には、まず最初は線分図で考えさせるのですが、いわゆる方程式の「移項」を頭の中で考えてサクッとやってしまえる子の方が、ミスなく効率よく問題を解けるでしょう。
解答の過程を書かなくてはいけない学校でも、①~③のこれらの式処理は全く減点対象になりませんので、その点もご安心いただいて大丈夫です。
試験官が「ん?」と首をかしげるとしたら、2次方程式以上のテクを使った場合ではないでしょうか。
というわけで改めて結論です。
・1次方程式は可
・それ以上のものは不可
覚えておいてくださいね!