去年の1月から不倫が始まったという。

発覚は5月。

不貞行為が始まって1年になるこの月
私はまだまだどんよりと日々を過ごしていた。




毎日が地獄だった。

辛くて耐えられなくて、でも何もできない。
自分が惨めで、何の価値もない人間だと思い込んだ。







どうにもならない。









もう耐えられない。






親にも毎日のように
泣き言を言った。



「あなたは悪くない。みんなが味方だから。大丈夫。堂々としてなさい。」

母はパーキンソンを患っている。



自分の身体が思うように動かないのに、いつでも飛んでいくから言いなさいと言う。




「こんな老いぼれでもあなたの役に立つなら、命なんか惜しくない。」


「強くありなさい。大丈夫だから。」




電話で何度も励まされた。






私は愛されている。

旦那がしていることが、とても薄っぺらく思えた。



旦那は何を求めているのだろう。



一時の感情で身体を寄せ合うことが愛情なのか。



バカだ。



それでいつになったら満たされるんだろう。





それで幸せなら、勝手にしろ。

寂しい人間だと思った。



本当に辛いときに助けてくれるのは、そんな関係じゃない。


自分を差し出してまで、全身全霊で愛してくれる人。



私にはそんな人がいる。



私は旦那に対してもそう思っていたはずだったのに。

旦那には伝わらない。



人の気持ちが分からない。


いつまでたっても分からないのは、愛を勘違いしているからだろう。






この時くらいからか、私は旦那に対して

諦めにも似た感情を持ち始めた。






それが良いこととは思わない。


でも、自分がラクになった。






自分はどうしたいのか。

自分は何を旦那に求めていたのか。

私は旦那じゃない。

私は私だ。







辛く悲しい日々が、少しずつ変わるような気がした。