去年の9月

旦那はまた飲み会が増え、朝帰りも何回かあった。



様子が明らかにおかしかった。


何も聞かない、見ない、責めない。




それは私には死ぬほどつらいことだった。





結婚記念日の朝、私は旦那の財布を見てしまった。



ホテルのカードだった。





ケータイをみる。






女とは続いていた。









薄々気づいてたが、ショックだった。




死のうと思った。



心はとっくに壊れていた。












手首から
血が溢れた。


なんだこれ。




子どもの顔が浮かんだ。




涙が止まらない。




私はこんなことをするために生まれてきたのか。


親に大切に育てられたのに。





まだ死ねない。




テーピングをグルグル巻きにして、とにかく止血した。




私は殺されたんだ。

一番信頼していた人に。





ある考えが浮かんだ。

もうどうにでもなれと思った。







帰ってきた旦那に話を持ちかけた。


傷のことは黙っていた。

特に気づいてもいなかった。








考えたんだけど…。

もう何も言わない。女と続いてるのも知ってる。


別居も離婚も考えられない。



でもあなたは好きにしたらいい。



私は子どものことを考えて生きていく。


でも帰ってきて、ちゃんとお父さんをしてください。








離婚だけはしたくなかった。

子どもに悲しい思いをさせたくなかった。

私さえ我慢すればいいと思った。







旦那は

週に三回朝帰りをするようになった。




私の誕生日の朝、帰ってきた旦那が


誕生日おめでとうと言った。