スペインのヒメネスさんが、またまた話題になっています。 

 キリスト肖像画の修復を失敗(?)したおばあちゃんですね。

 本人は、修復は未完だったと言っているとか。


 テレビでも各局が競い合うように、「個展開催!」と報道していました。


 修復後の絵が、元のイメージと全然違い、キリストというよりもサルのようだと話題になりました。

 確かに面白い絵になっています。


 これは、所有権と著作権の教材にもなりますね。


 「物としての絵」の「所有権」は教会が持っているのでしょうか。

 それとも町?

 はたまた市?


 一方、元のキリスト肖像画はだいぶ時間が経っているので、「表現としての絵」の「著作権」は消滅していますよね。


 ヒメネスおばあちゃんが修復を完璧に仕上げていたら、そこに新たな表現の要素はないでしょうから、新たな著作権は成立しないで、絵の所有権だけが今までどおりに存在しているのでしょうね。


 ところが、ヒメネスおばあちゃんが「やっちゃった!」と言うか、新たな創作をしちゃったことで、新しい著作権が、絵の所有権とは別に成立しちゃいました。


 この新しい肖像画、すなわち著作物が町に観光客を呼び、商品化もされ、地域活性化につながっているそうです


 どんなところで活路が開けてくるかわからない、という見本でもあります。