【剣術記録】永きに渡って、ありがとう。 | モノ書き剣士・風音飛空鳥の居合書き

モノ書き剣士・風音飛空鳥の居合書き

時に剣士、時にモノ書きさんな風音飛空鳥がそこはかとなく徒然にお送りする気まぐれブログ。

さて。書きたいことがあるのだけれども、どう切り出したもんか…まあいいか、とりあえず普通に切り出してみよう。

なにげに、毎回日記の切り出しでだいぶ悩んでいる風音飛空鳥です←

最近マイミクになった人(特にモノ書きさん系の人ね)にはあまり話してないけど、風音飛空鳥には剣術活動を行う上で一人弟子を取っていました。

その弟子の名前は銀月綺沙羅。俺が時々日記やらTwitterやらで「銀君」と称してる子です。
7年ほど前に行われた道場の合同稽古でたまたま俺が指導するグループに入ってて。
で、そこから個人的に気が合って俺の殺陣の稽古に付き合ってもらうようになって…。
そんな事をしばらく続けてて、ある時銀君から頼まれたんだっけ。僕の師匠になって欲しい、って。

正直に言うと、最初、2~3回は断ってたんだよね。俺自身、個人的に誰かに物を教えるのに向いてないって思ってたし…第一、器じゃない、って思ってて。
けど、剣術の先輩や同期に相談すると決まってやってみなよ、といった返事が帰ってきて。
(まあ、同期の連中は冷やかし混じりで言ってたのもあると思うけど^^;)
何回かそういうやりとりを続けているうちに、俺自身も何か腹を括ったような気持ちになって、引き受けることにした。
引き受けた瞬間、銀君キョトンとしてたっけ。まさか俺がいいよ、って言うと思ってなかっただろうから…(笑)

それからの銀君は本当に凄かった。俺が当初考えてた指南のスケジュールだと、ちょうど今の時期に技術的なものを全て教え終わる予定だったのだけど、まさかの3年間で全てものにしてしまって。
俺がよく剣術活動の日記で剣舞とか殺陣とかやった時に俺は天才故に問題なかった、とか嘯いてるけど、銀君は掛け値なしの本当の天才だった。まさしく「天賦の才」って言葉がピッタリなくらい。
飲み込みも早いし、自分ができない事に対してはひたむきに出来る様になるまで努力する。
才能もあるし、努力を怠る事もしないし…真面目なんだね、銀君は。
けど、真面目一辺過ぎるきらいがあるのもちょっと困るといえば困るのだけれど。
現に俺が某オフ会メンバーと揉めてものすっごく堕ちてた時、俺を引っ張り上げてくれたのはいいのだけれど、まさかその勢いで揉めた際の相手側の中核な人間に口を出すまでなんて思いもしないっての^^;
ま、それが彼の持ち味とも思っているけれど。

そして、そんなこんなで今日…もう時間的には昨日だけれども。最後の稽古をしてきました。

道場でお互い身支度をして、向かい合って。
俺の「始めようか」の一言の後に銀君も静かに頷いて…そしてそこから怒涛のような激しい打ち合いに。
もう、稽古でもなんでもなく試合…死合のようにただただひたすらに剣をぶつけ合っていた。
もちろんこの時使ったのは普段の稽古で使うような本物に近い刀ではなく、木刀だったけれど。
当たり前のようだけど、当たれば痛い。だから受けるのも必死だったし、攻めるのも必死だった。
打ち合いながら、銀君の成長に感慨深くなったり、出会った時の事を思い出して少ししんみりしてしまったり…涙が流れるのも判ったし。
気づけば銀君も同じように打ち合いながら涙を流してて。

今日の稽古の最中だけは、師弟という枠を超えて、ただの一人の人間として銀君と打ち合ってた。じゃないと、銀君に失礼だから。今の今まで着いて来てくれた銀君に送れる、最後の真剣な気持ちを届けないのは失礼だと思ったから…。

そんなこんなしてる内に稽古終わりの時間が来て…本当はもっともっとやっていたかったけれど、けじめはつけなきゃならなくて。
剣を納めて、最後に銀君と剣士の握手をして…銀君が道場を後にした。

これで、本当に銀君との稽古は終了。稽古終えて数時間経った今でもこの3時間のうちに起こったことがまだ染み付いてる。

…銀君のおかげで、俺の剣術の活動の幅を広げるきっかけにもなったし、人に何かを教える楽しさっていうのも判ってきた。師一人弟子一人の間柄だったけれど、すごく充実した5年間だった。

銀君と師弟として歩んできたなかで、俺も銀君から色んなことを教えてもらったよ。

銀月綺沙羅。
風音飛空鳥の弟子であり、一人の剣士として。

5年間、本当にありがとう。