文学賞の見学! | 貝のみる夢

文学賞の見学!

・柴田連錬三郎賞
・すばる文学賞
・小説すばる新人賞
・開高健ノンフィクション賞

…の、合同授与式に行ってまいりました!!@帝国ホテル。
文学賞、新人賞、の各受賞作の感想はまた別途上げますが、とりあえず授賞式スピーチのレポートです。

・すばる文学賞『フラミンゴの村』/澤西祐典
なんというか、「上品な優等生」という感じのスピーチだった。あまり内容を覚えていない 笑。

選考委員(奥泉光さんだったっけ…?名前聞いてなかった)のスピーチ。

「(作者は)京大院生で身長180センチ超でイケメンで彼女もち。その上文学の才能豊か。どんな嫌な奴かと思うでしょ?これで嫌な奴だったら、まあ許せるんです。が、…いいやつなんですよ、これが。許せませんねw」

本人は笑いは苦手なのかな?受賞作読み終わってないけど、そんな感じ。

・小説すばる新人賞『サラの柔らかな香車』/橋本長道
「新人」なのに、スピーチで超・笑いがとれる兵庫県出身27歳。受賞作は将棋に挑む少女たちを描いたもの。自身も奨励会出身で、将棋を志していたが、挫折。今作はその経験を活かして書かれた。人生何がどうなるかわからないものだ。

選考委員の言葉として、小説すばる新人賞出身者初の選考委員・村山由佳さんがスピーチをされた。

「私にとっては初産(初選考の受賞者)になります。ぜひ生き残って欲しいし、大きく羽ばたいてほしい。みなさん、これから大海原に出ていく彼に、大きな風を送ってあげてください」

文学賞受賞とは、スタートであり、その後の活動は本人や周りの奮闘によるものなのだ。そのことを痛感されている、第一線の小説家らしい暖かいスピーチだった。

で!柴田錬三郎賞受賞、『西巷説百物語』/京極夏彦先生!!
言わずと知れた巷説シリーズである。あれ、シリーズものの最新作だけ受賞??と不思議に思っていたのだが、柴田錬三郎先生は通俗小説の大家だそうな。寡聞にして無知な筆者は知らなかった。

「出自がミステリ、ホームグラウンドがお化け、よくやっているのが怪談という、慶弔でいえば明らかに弔よりの私が、このような晴れやかな場に立つというのはいかにも慣れないことで…」

と自虐から始まるスピーチ。
要所要所でおちゃらけてはいた(顔は一ミリも笑わないが)が、
「俗に通ずることができなくては多くの人に届かないし、娯楽とならなければ、届いてもあまり喜ばれない」
と、自らの小説を『通俗娯楽小説』として「プロの小説職人」を自認する京極先生らしい、スピーチ。

「お化けの畑で、怪談のこやしで育った私です。お化けたちも、(今回の受賞を)草葉の陰で喜んでいることでしょう」
と結んだ。


サラの柔らかな香車、ゲラもらってきたけど分厚いぞ!感想はまた後日!!


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