コレは、我が家のドールでの妄想物語。

あくまでも妄想物語なので…フィクションです😊
everlasting love(永遠の愛を込めて)シリーズ


某国。


藍瑠(アル)「時音(トキネ)今日のノルマは、これで終わり。後は、私と瑠藍(ルア)が最後まとめるから終わっていいよ」


ここは、ある財閥のプライベートルーム。

それを財閥のトップであるボスの一言で世界の金融関係を取り仕切れるスーパーコンピューターを隣室に設置してオフィスにしてしまった部屋。 

ボクは、ボスである瑠藍の夫兼右腕の藍瑠にポンと軽く肩を叩かれ合図された。

それで我に返ったけど…いつもの事とは言え…つい数字を夢中になって追ってると時間が過ぎてるんだよねぇ。


時音「あれ?もうこんなに時間が経ってたんだ〜」


瑠藍「ふふふっ…そうよ。時音の分は、ここで終わっていいわ。お疲れ様」


時音「そっか~了解、ボス。じゃあ…ボクの分は、終わるね〜」


瑠藍「ええ、お疲れ様〜」


藍瑠「お疲れさん。瑠藍…少し休憩しようか?」


瑠藍「そうねぇ。時音、帰る前にお茶入れてくれる?」


時音「ほーい」


藍瑠「そう言えばさ…時音って今夜もピアノ弾きに行く?」


ボクは、藍瑠の紹介のレストランでたまにピアノを弾いているんだ。


時音「うん。今夜は、行くよ〜」


藍瑠「瑠藍…、私…時音のピアノ聞きに行きたいんだけれど~」


瑠藍「あら…そうなの。行って来れば〜?明音(ミント)のためでしょ?」


藍瑠「そ。実藍(ミア)が明音の伴奏引き受けてくれれば良いんだけれどなぁ」


瑠藍「そうねぇ〜」


そしてボスが仕事用のメガネを外してにっこり鮮やかに藍瑠に微笑んだ。


瑠藍「おそらく、今は、コレクションに呼ばれているから…『ムリ』よ」


藍瑠「だよねぇ〜。まっ仕方ないか」


瑠藍「それこそ藍瑠の前職のツテで探したら良いのに?」


藍瑠「流石にブラウンの君にはさぁ、騙して会長になるように仕向けたから言いづらいんだよなぁ」


瑠藍「なら…元奥さんのパートナーは?伴奏の達人でしょうよ」


藍瑠「あ~まぁねぇ〜」


ボクは、自分のパソコンの起動をシャットダウンさせてる間…二人にお茶を入れるため簡易ワゴンの場所に移動して話を聞いていた。

藍瑠は、仕事用のメガネを外しガシガシと乱暴に美しいロングの髪を無造作にかきあげ…ふぅ〜とため息をはいた。


藍瑠「うーん。あっちは、子育て中だからなぁ~非常に言いづらい」


瑠藍「あら藍瑠の子種から生まれてる赤ちゃんだもの融通してくれるんじゃない?」 


瑠藍「生んでから半年だけどねぇ。忙しくないかな?」


瑠藍「ぷっ…それこそ元奥さんの方が子育てならサポートに入るでしょうよ」


藍瑠「ま、そうなるよね〜」


と藍瑠は、インスタントなお茶を入れてるボクを見た。


時音「ボクは、大掛かりな伴奏は、できないからね~藍瑠」


と、釘を刺す。


藍瑠「分かってるよぉ〜」


ここの財閥は、世界のほぼトップの中枢と言っても過言ではない大財閥で…ありとあらゆる企業を傘下に置いている。

世の中には、常にシークレットにするためにトップが入れ替っても基本の部分は、変わらないが…企業に指示を出す部署は、変わる。

前任の財閥トップは、飛行機の中に中枢を置いていたとか(笑)すごいよねぇ。

瑠藍は、この財閥のトップになるため色んな事をやってきたらしい。

まぁ…ちょっと聞いただけでも世界の銀行の副頭取していたとか…かなりの経歴だけれど…。

ある種目的のために手段を選ばないかなり冷静沈着に物事を進める人なんだよね。

カッコいい女子なんだ。

すごく憧れてる。

藍瑠は、瑠藍をこの財閥のトップにさせるためにライバルになったりサポートを陰ながらしていたらしい。

前職は、世界的音楽レーベルの会長職に

若くして就いていたそうで…。

それもつい最近まで会長をしていたんだけれどね。

そんな会長だった藍瑠にボクは、ヘッドハンティングされて今ここで働いている。

ボクは、葉月時音(ハヅキトキネ)。

アラサー男子。


元々は星ノ国の国防関係の仕事についていた。

生まれは、日ノ国。

小学校に入学後…たまたま夏休みのある自由研究で学校長に目を掛けられ…特別学力テストを受けさせられ理数系の能力がかなり高レベルの水準とみなされた。

お陰で…学年をスキップして星ノ国の大学院に編入しないかと言われ勉強を沢山したかったのもあってそちらに進んだ。

で、勉強を頑張るならば学費も生活も親の生活も優遇されると聞いて。

まぁ…結局両親が一番喜んだからボクは、遠慮なく大好きな勉強をするために大学院に進めた。

そして…そのまま星ノ国の理工系の大学院の研究所に入って研究する分野がますます広がり楽しくなってほぼ8年程在学して17才には…星ノ国の大学院を卒業した。

そして…もっと研究を続けたいならと推薦を受けて国防ってのは知らなかったけれどある研究所に進んでずっと興味のあったピアノを弾きたくて…音楽院のハーフスクール(夜間クラス)に入学した。

研究と音楽院の両立は、かなり難関で困難だったけれど…やはり音楽をピアノを弾くのが楽しくて無事…課題、実技をクリアして卒業証書を貰えた。

いつもシークレットになる研究所でほぼ表に出ない研究を続けボクは、元々物を作るのが好きだから大変だったけれど楽しかったって思う。

研究所の関係は、何事も外に漏らしちゃいけないってシークレットで雁字搦めではあったけれどね。

まぁ…今となっては、なるほどな理由なのだけれど…。

だから現職場の上司である二人は、仕事以外は、結構緩いって思う。

本来、ボクなんかじゃなくてちゃんと指示すれば執事や使用人とかにもっと美味しいお茶を入れて貰えるだろうに。

毒じゃなければ大丈夫って事で簡略にインスタントで済ますんだから…。

別にお茶を入れるぐらい嫌じゃないけれど…。

ボクは、お茶を二人に運んで自分のラップトップのラストをチェックする。

ちなみにここの全システムの構築は、ボクの仕事の一つでラップトップの組み立てもボクがやってる。

資金は、無尽蔵で…好きにやって高効率化を重視して完成させれば良いと言われてるからね。

だから…シャットダウンをちゃんと見届けないと…。

それだけは、本当に大事でシークレット中のシークレットだからね。


時音「よし、オッケー。シャットダウン終了。お疲れ様でした。フリープレイ(ピアノの)でバイオリンの伴奏をみつけようってのが難しいんじゃないかなぁ、藍瑠」


藍瑠「お茶、やっぱりインスタントが簡単で…んまいよな。まぁねぇ~。まっ気分転換に時音のピアノを聞きたいなって気持ちもある。おそらく明音は、プロになりたくは無いみたいなんだよな~」


時音「ふぅ~ん」


瑠藍「うん、ありがとね、時音。藍瑠、私は…今日、もう外に出たくないなぁ~。お疲れ様ね〜時音」


時音「は~い」


そしてボクは、オフィス?!と言う名の部屋を後にした。

ボクは、星ノ国で前職中にある思いつきの発明をしてシステムを完成させた。

もちろん人のために役立てたいって気持ちからだった。

それがまさかそのシステムが人を殺める武器になってしまうとは、思ってもいなかった。

それを知ってから…研究することに新たなシステムを完成させる事に極度のストレスを感じ初めて研究所を抜け出して近所の公園にあったストリートピアノを弾いて憂さ晴らしをしていた。

その時のピアノを弾く楽しさと開放感は、とても自由で幸せで得難い時間を持てたと思った。

だけどその初の試みにもボクの頭脳には、常にセキュリティ上の監視がつく。

それに気がついたとき…そのがっかりになった気分の煩わしさは、音楽で開放された気持ちを一瞬にして台無しにした。

そんな気持ちから雁字搦めから逃げたくて上手くセキュリティ達を女装して躱す事を試して無事に成功して自由を満喫できるようになった。

それからは、研究所の近くの大きなパークに置いてあるストリートピアノを弾くのに癒やしを求め4日に一回ぐらいのペースで女装しては、通ったのだった。

それを3ヶ月ぐらいは、セキュリティをごまかして抜け出しては、自由を満喫していた。

だけどね…それは、同時に世論を知ることになる。

研究所やセキュリティの一番恐れている事らしい。

ボクは、人のためと思って作ったボクのシステムが戦争に使われる事を…人を殺めるシステムとして稼働したことを知ったのだった。

そして…ボクは、その日から研究所に帰りたくなくなった。

けれど…帰る場所は、そこだけだから…しかたないわけで……。



そんなある日…音楽事務所の会長をしている藍瑠に出会ったのだった。

正確に言うと…ナンパされた。

それは研究所に帰りたくなくて…人気のあるストリートピアノだったから何度も並んで弾いていた時に鍵盤へかなり八つ当たりしていた日だった。

曲は、ラ・カンパネラだったり幻想即興曲だったり抑揚なくフォルテフォルテッシモでガンガンに弾いていた日…何度めかの順番待ちをしていたら…。


藍瑠「ねぇ…キミ、いつも素敵な音色なのに今日は、荒れ気味だね。豪快なラ・カンパネラ中々の迫力だよ。ってキミ……もしかして男子?」


ボクは、ビックリした。

女装していると当たり前だけど女子と間違われて良く男子からも女子からも声をかけられるけれど…そのまま女子とバレない事の方が多いボクだから。

だからボクと目があった途端女装と見破られるのは、初めてだった。

その声をかけてきた相手は、ボクよりも背が高くて一目で上質だと分かる三つ組のとても良い仕立てでセンスのいいスーツをサラリと着こなしていたスゴくハンサムな人だった。

尖った革靴もピカピカでお金持ちだと連想させるには十分で。

それが不思議とキラキラと威厳めいたものに感じるのだが…イヤな感じじゃなくて。

何とも不思議なイケメンだとボクは、思った。

そして女装を一目で見破られたのがちょっぴり悔しかった。

さて…どう言ったらいいものか悩む。

悩んでいたらさり気なく彼は、ボクの肩を抱き寄せ耳元に囁いた。


藍瑠「私は、男子でも女子でも何も感じ無いけれど…。キミの今日の演奏には、引き寄せられたんだ。良かったら一緒にお茶でもどうかな?ごちそうするよ?」


と甘い声音で言われると不思議とイヤな感じがしなかった。

いつもは、ジョーダンじゃないって思うんだけれどね。


時音「いーけれど。どうせならお腹すいたんだ。そして…出来たらあなたと一緒に居るところを誰かに見られたくない。あなたこそ目立ちすぎだよ。だから人目につかない所だったら良いけれど…」


ボクは、ちょっぴり無理難題をイケメンな彼にオーダーした。

いつセキュリティに目をつけられるかわからないからね。

今日は、いつもよりも仕草は女子だけれど…どうしても演奏は、荒れて思いっきりやりすぎたって自覚があるからね。

それすらも見破る彼に興味を持ったからだった。


藍瑠「オッケー。じゃあ次の演奏終わったらここから見えるあの緑の屋根のカフェ分かる?」


時音「え…あそこカフェだったの?」


かなり独特な建築だと思っていたけれど看板とか出てないし一体なんの建物なんだろうなって思っては、いた。

けれどまさかカフェとは、思わなかったから。


藍瑠「そうなんだ。特別な会員制のだけれどね。だからシークレットににはうってつけだよ」


ってキザなウィンクもバッチリ決まっていてその美しい顔にこちらがドキドキしてしまう。

そうか…ここは、星ノ国でもトップを誇る高級なお金持ちが沢山住んでいる地域だ。

だからそんなカフェもあるんだな…ってボクには、縁が無いけれど…スゴイなって素直に思った。


時音「ん…、良いよ。ごちそうになります」


藍瑠「おや、素直になったね。良いね…じゃあ待ってるね」


時音「あっはい」


藍瑠「あそこのインターフォンに向かってアルフォードに用があるって言えば入れるからね」


時音「アルフォード…ですね」


藍瑠「そうだよ。では、待ってる」


そしてアルフォードと名乗った彼は、ボクからスッと離れた。

いつもは、決してのらないナンパ…だけれど…。

彼には、久々にすごくワクワクする何かがあった。

ボクは、先程までの何となーく常にストレスを感じていたのが軽くなった気がした。


時音「よし、楽しもう」


って思った。

何をかは、分からなかったけれど…まずは、気持ちをのせてピアノを弾く事にしたのだった。



続く




また日曜日に続きをのせます。