前回の続き・・・。

さて店に到着し、席に案内された自分はある出来事にビックリし興奮してしまった。


通された席はステージを横並びで見られる、仕切りの壁と一体になった横に長い椅子の前に

テーブルが2つあり、2組座れるような作りになっていたのだが、自分たちは通路側、その奥にはすでに

1組3名が座って食事を取っていた。

その3名のうちでも一番奥に座っていた方に自分は一瞬で釘付けになってしまった。

なんと、俳優の寺尾聰さんがいらっしゃったのだ。


自分もパートナーも実は大の「西部警察」好き。

小学生から中学生にかけて、そのダイナミックな爆破シーンやカーアクションに魅せられ、

夢中で見ていた。中でも寺尾聰さん演じるリキと舘ひろしさん演じるタツ・ハトが大好きだった。

自分は寺尾さんの歌も好きで、「ルビーの指輪」はもちろん「SHADOW CITY 」「出航(さすらい)」

「Reflections」などのレコードも持っていた。

その寺尾さんご本人が今目の前にいらっしゃる!!

自分より先に席に着き、ステージや反対側の店内を見渡す格好のパートナーはそのことに全く

気づいていない。


声を大にして一刻も早くこの興奮を伝えたいが、ここは大都会、東京都内。

こんなことは日常茶飯事なのだろう、店内の他のお客さんたちは全くざわついていない。

有名人を見かけようが、自分のそばにいようが、あからさまに騒いでは田舎者丸出しか!?

ましてや相手はプライベートな時間をお楽しみなのだ。ご迷惑をかけてはいけない。


声をひそめ、しかしかなり興奮気味にパートナーに耳打ち。「奥に寺尾聰さんがいる!!」

パートナーは一瞬事態を把握できず、ポカーンとしている。「奥見て!奥!」

そこで初めてパートナーも気づいた。その時のパートナーの顔といったら・・・(笑)

声にならない声を上げているのがハッキリとわかった。

二人とも密かに大興奮!!

入店してからステージ始まるまで1時間ほどあったのだが、その間体の左半分が緊張しっぱなし。

もはやステージどころではない。

何とかお話したいと思ったが、迷惑になってはいけないと思い、グッと我慢。

しかし頭の中ではもし万が一話せるチャンスがあったら、アレを言おう、コレを言おうと予行練習。

「ルビーの指輪」のB面の「CINEMA HOTEL」が特にお気に入りだったことも言おう、とか。(←バカ)


そうこうするうちにショーが始まった。

とても失礼な話だが、最初の方は寺尾さんの方に意識が集中するあまり、目はステージを見ていても

ステージに集中できなかった。

ところが、さすがその道のプロ。TVのものまね番組でおなじみの方々ばかりなので当然と言えば

当然なのだが、みなさん本当に芸達者で、ものすごく楽しいのだ。

いつしかステージに引き込まれ、体の左半分が緊張していたこともすっかり忘れてしまった。

まばたきをするのも勿体無いほどに充実したステージで本当に楽しかった。

急に決めた店だったが、大当たりだった。


この店はステージが終わると出演者の方々が客席に下りてきて、各テーブルに腰を落ち着けて

お話をしに来てくれるシステムらしい。

自分たちの席にはまず谷村新司さんのそっくりさんの谷村仁司さんが来てくれた。

(この方の山下達郎さんのマネが自分的にはツボだった。)

とてもいい方で、ショーを絶賛する田舎者二人を相手に結構長い時間お話してくれた。

その後、パートナーはミスチルの桜井さんのそっくりさんの桜井としかずさんと、

自分はジョニー・デップのそっくりさんのハイメさんとお話。

心残りはマイケル・ジャクソンのそっくりさんのまいける井上さんとお話できなかったことだ。

それも含め、是非またこのステージが見たいので、絶対また来ようとパートナーと約束した。


出演者の方々とのおしゃべりがひとしきり終わった頃、ふと気づくと隣の席の寺尾さんご一行様の

前の席の女性グループが寺尾さんに話しかけているではないか!

そのグループも席に着いた時点で寺尾さんに気づいているのは自分もわかっていた。

その方たちも話しかける様子がなかったこともあって、自分たちも我慢していた。

しかし今、お話している! これはチャンスか!?


パートナーのすぐ隣にいた、寺尾さんの同伴者の男性(友人?マネージャー?)に一応コッソリと

「寺尾さんとお話大丈夫ですか?」と尋ねた。

するといとも簡単に気さくな感じで、「もちろん。全然大丈夫ですよ。」とおっしゃり、ご自分は席を立ち、

寺尾さんを自分のパートナーの横に呼んでくれた。

さらに寺尾さんは自分が手にしていたデジカメに気づき、「写真録ろうか?」とまでおっしゃってくださった。

確かに自分はあわよくば写真もと思っていたが、さすがにそれはずうずうしいかなと思い、自分からは

言い出せずにいた。それがあちらからOKを出してくださったのだ。う~ん感激!


並びとしては、奥から寺尾さん、パートナー、自分。

自分の方がファン度が高いのに、寺尾さんのすぐ横に行けなかったことが悔しい。

しかも寺尾さんはパートナーの肩に手を置いてくれていたらしい。ムキーッ!

しかし本人を前に緊張し過ぎて、予行練習していたレコードの話など全くできずにいた自分のことを

パートナーが「(自分を指差し)大ファンでレコードも持ってるんですよ。」と紹介してくれたので

まぁ許すとするか・・・。


そんな訳で、旅行1日目は1粒で2度おいしい、何とも充実しすぎな1日であった。