ロンドン中心部にあるレストラン「リトルベイ」で、客が自由に食事代金を決めて支払うという試みを始めた今日この頃、皆さん小銭握り締めてお出かけですか?
金額は1ペニー(約1円)から50ポンド(約6500円)までで、これまでのところ、客は実際の代金より20%多く支払っているのだそう。
このシステムは、店側の思う壺ですね。
味のわからない人間は、何を食べても美味しいと思うもの。
それっぽい盛り付けに、それっぽい味でごまかされてるに違い有りません!
ここは美食家ガイハの出番、達人の舌で適正価格を割り出そうと思います。
試食。
ドン!
G『こんな不味い料理食べられるか!』
支『お支払いを…』
G『はいっ1ペニーで!!』
支『ちっ!』
G『えっ今何か…』
支『本当に1ペニーで良いんですね?』
G『えっまぁ…』
支『もう1度聞きますよ。本当に”たった”1ペニーなんですね??』
G『あぁ…あ…』
踵(かかと)を鳴らし、睨む支配人。
支『さっさと答えなさい!!』
G『ひぃぃごっごめんなさい…!50ポンドとお支払いいっ致します…!!』
自由代金システムは、客の度胸が試される場なのかも知れません。
久しぶりに発症してしまいました。
空前絶後の『ビビり病(※1)』。
とある夕方、エレベーターに乗り、屈んで靴紐を結んでいると、携帯片手におばさんが乗り込んで来ました。
ツンッ!!
足元が視界に入っていないのか、爪先でサッカーボールキック。
G『わぁっ!!』
痛みから、思わず声を漏らすガイハさん。
女『ギャーーーーー!!』
ようやくその存在に気付いた様で、突如叫び声をあげるおばさん。
その瞬間
ビクッ!!
思わず身体が『ビビり反応』。
反射的に足腰が跳ね上がり
ゴンッ!!
G『痛いっ!!』
バリアフリーの手摺りに肋(あばら)を強打。
痛みと衝撃で、体育座りの姿勢でうずくまるガイハさん。
さも『襲われる』とばかりに、怯えた表情で身を震わせるおばさん。
まっ待て!
なっ何もしてない!
むしら助けて欲しいのはこちらのほう!!
お願いだから、そんな目で見ないで!!
永遠に程近い、刹那の時を経てようやく1階に到着。
ドアが開くと、待っていたサラリーマン。
男『だっ大丈夫ですか!?』
密室の中で、壁にたれ掛かってあんぐりと口を開けた女と、肋骨を押さえうずくまった男。
エレベーター内での"惨事"を察したのか、慌てておばさんの方へ。
男『何があったんですか?』
間違いなく事件の気配。
誰だって聞きたくなる状況。
むしろガイハが聞きたい!!
女『あぁぁ…』
男を制し、何か譫(うわ)言を呟きながら去っていくおばさん。
男『あなたも大丈夫ですか?』
G『はい…何でもないですから…。』
何でもないわけがないっ!
エレベーターには魔物が潜んでいた!!
だからつまりその…
自らの災難を力説しようとするものの、あまりにも不利な状況の為に断念。
もはや完全に不審者。
G『ちょっと急いでるので…』
こうして、またも肩身狭く、肋に手を沿え独り虚しく現場を後にしました。
翌日、用務員から熱い視線。
明らかに疑って戴けている様です。
というわけで、"ビビり変質者"のレッテルを貼られたガイハさんは『エレベーター婦女暴行未遂容疑の男』として、今後徹底的にマークされるに違いありません。
おそらく、監視カメラも全てチェック。
過去に犯した変顔やお尻ペンペン、エアライブまでも全て見られてしまう事でしょう!!
…充分怪しいですね。
どうやら、ほとぼりが冷めるまでは、隅っこの"死角"で過ごす事となりそうです。
体育座りで。
※1…詳しくは2008年10月20日『音ビビり』参照。