南仏プロバンスの旅の想い出Part3。

 

豪華なヨットやクルーザーがびっしりと停泊しているマルセイユの旧港で、釣りをしている男を見かけた。

釣りといっても竿は見当たらず、安物のリールから引き出した釣り糸を直接手で持って足下を探る手釣りをしているようだ。

昼日中からこんな釣りをしているのは、よほどの釣り好きなのかそれとも食材の魚を手に入れる必要に迫られてのことなのだろうか、好奇心に駆られて側へ寄って声をかけてみた。

マルセイユ旧港の釣り人

 

私が日本からの旅行者だと伝えると、自分はアルジェリアから来たんだと教えてくれて写真撮影にも快く応じてくれた。

ポリ袋の中にはシマダイの幼魚に似た魚が入っていたので「今晩のディナーか?」と聞くと、私のジョークを解ってくれたようで「YES!」と笑顔で答えてくれた。

マルセイユ旧港の釣り人

 

アルジェリアは地中海をはさんでマルセイユの対岸にあるフランスの旧植民地だが、その独立に際してはフランスとの戦いで多くの悲劇があったことを覚えている。

学生時代、アンソニー・クインやアラン・ドロンが出演した映画「名誉と栄光のためでなく」を観たことも思い出した。

彼は今どういう立場でここマルセイユにいるのだろうか? 出稼ぎなのか移民なのか? 確認は出来なかったが、背景にはフランスが抱える複雑な問題がありそうに思えた。

アルジェリアから来たという彼が、貧弱な道具立てではあるものの純粋に釣りを楽しめているのならいいなと思ったことだった。

マルセイユ旧港の釣り人

 

 

こちらはニースの海岸

 

日中は観光客で賑わったこの海岸も、夕暮れになると釣り人がこのように竿をずらりと並べていた。ニースの海岸での釣り

 

長いワームをつけた仕掛けを投げ込んでアタリを待つ釣りのようだ。

何が釣れるのか聞いてみたかったが、魚の名前に自信がないので止めておいた。

ニースの海岸での釣り

 

こちらのグループはアタリが出るまでのんびり待つつもりらしい。

聞いてみると、中の一人がこの地域の釣りのチャンピオンだというので、「私も日本のチャンピオンだ」と自慢しておいた口笛

40年も前のことだが、湘南の二宮海岸で行われた全日本サーフのシロギス投げ釣り選手権大会で大物賞を取ったことがあるから、まんざらウソとは言えないだろうてへぺろ

タックルがあれば湘南仕込みの華麗な回転投法を見せたかったが、ニースの海岸はこのような砂利浜だったから出来なかった、ということにしておこうニヤニヤ

ニースの釣り人たち

 

 

これからも気まぐれ不定期で、旅の想い出を紹介していきます。

 

 

それでは、また…