前回はシジュウカラのヒナの巣立ち騒ぎをお伝えしましたが、カワセミの巣でも大変な騒ぎが起きていました。
5月20日(月)
雨上がりの午後、カワセミの巣を訪ねるとヒナの巣立ちが始まっていました。
現場にいた皆さん話では、最初の1羽は巣立ったものの行方不明状態、2羽目は巣の下の草むらに落下したものの何とか無事らしいとのことでした
。
皆さんと一緒に3羽目の巣立ちを待ちましたが、3羽目は巣の中で死んでしまったらしく、親鳥が何とか巣の外へ引きずり出しました。
ヒナの巣立ちを楽しみにカメラを構えていた皆さんや通りがかった人たちからも悲しみの声が上がりましたが、まだ親鳥がエサを運んでいましたので、残りのヒナの元気な巣立ちを願ってその日は現場を離れました。
5月21日(火)
朝の7時頃に現場へ到着してみると、まだ巣にいるヒナを何とか外へ連れ出そうと親鳥が巣穴に出入りしながら懸命に呼びかけていました。
※以下、時系列に沿って写真を並べ、説明代わりにカワセミたちの気持ちにより添った(?)コメントを勝手につけてみました。
ママ(左)「子どもたち! 早く出ていらっしゃいよ」
パパ(右)「ほら、こうやって飛び出すんだよ」 (7時5分)
巣の下には昨日落下したヒナがいました。
羽が濡れて泥だらけですが、思いの外元気で安心しました。
※親鳥が周囲にいないことを確かめてから撮影しました。このヒナの雌雄はまだわかりませんが、ここではオスだとしておきます。
ヒナ「オーイ、僕はここだよー、お腹がすいたよー」 (7時24分)
パパ(左)がママ(右)に自分が捕まえてきた魚を渡しました。
パパ「ボクは食事の世話が苦手だから、キミが食べさせてやってくれよ」
ママ「イクメンのはずだったのに、面倒なことは私に押しつけるのね」(7時38分)
ママ「昨日から下に落ちたままの子に先に食べさせなくてはね」(7時39分)
ママが魚をくわえて草の中のヒナのところまで降りようとします。
ママ「あらまぁ、こんなに茂った中に飛び込むのは思ったよりも難しいわねー」
パパ「あのようすではママもあの子のそばへは行けそうにないなぁ…」(7時39分)
ママ「とてもあの子のそばには近寄れそうにないから、先に上の巣の中の子に食べさせようかしら?」
パパ「上の子にはもう朝ご飯を食べさせてあるから大丈夫だよ」 (7時41分)
ママ「そうよね、やはり下の子に先に食べさせなくっちゃね。そのためには私が行けるところまで何とかあの子を引っ張り出さなきゃならないわ」 (7時41分)
ヒナ「ねえ、早くボクにも食べ物をちょうだいよぉ」(7時46分)
ママ「ほら、ここまで持ってきてあげたんだから、あなたももう少しこっちへ来なさいよ」
ヒナ「そんなこと言われても、ボクはとてもそこまでなんて行けないよ」
(7時47分)
ママ「こんなに誘っているのにどうしてもあの子はあの場所から動きそうにないわ。こうなったら思い切って私がそばに行くしかないようね」(7時48分)
ママ「ほら、魚をもってきてあげたから食べなさい。落とさないようにちゃんとくわえてから飲み込むのよ」
ヒナ「ありがとう、お腹がぺこぺこだったよ」 (7時50分)
ママ「食べ終わったら、こうして上の方に飛び上がってくるのよ」(7時50分)
落下したヒナを心配していた皆さんは、ヒナが魚を食べることが出来たとわかって大喜びでした。
ヒナにようやく給餌できたママも、水浴びを済ませてほっと一息です。(7時58分)
以上の顛末を見届けてから、私は現場を離れて帰宅しました。
午後、その後のようすが気になって再び現場へ向かいました。
新しいヒナの巣立ちはまだで、朝と状況は変わっていませんでした。
パパは捕ってきた魚をママに渡しました。
求愛給餌の時と同じパターンですが、今回もママは魚を食べません。
パパ「ボクが魚を捕ってくるから、食事の世話はキミに頼むよ」
ママ「わかったわよ。頼りないイクメンだわねぇ」 (14時58分)
巣にはまだヒナがいるようで、ママは魚をくわえて巣穴に入りました。(14時58分)
落下したヒナが日の当たる開けた場所へ少しずつ移動してきました。(15時6分)
ここなら親鳥も近寄りやすいため、もう一度給餌場面が見られるのではないかと期待が高まります。
ところが、意表を突いて突然ヒナが飛び立ちました。 (16時8分)
いきなり30㍍ほどを飛んで対岸の遊歩道にとまった後、再度飛び立って木立の中に姿を消しました\(^O^)/。 (16時39分)
一時はどうなることかと心配したヒナが思いがけず元気に飛び立ったことで、これまでハラハラしながら見守っていた皆さんからは安堵の声が聞かれました。
最後は、今日大活躍だったお疲れママさんの水浴び写真です👏 (16時12分)
その後のヒナや親鳥たちのようすについては、あらためてレポートします。
それでは、また…