2ヶ月のカイが家に来てから、事情があって3ヶ月と4ヶ月の時に計三回ペットホテルに預けた。
それから半年、久しぶりにペットホテルに預ける事になった。
半年振りのホテル。
勿論受け入れ先のやさしそうなお姉さんは、カイの事を覚えていてくれるし、
カイ自身も連れて行ったすぐはそのお姉さんを見て尻尾を振っている。
大丈夫だと安心して帰った。
6日後、迎えに行くとえらく大人しい。
どうややホテルにいる間、借りてきた猫のように過ごしていたらしい。
普段のワンパク振りとまるで違う反応を聞かされ、びっくりしてしまった。
そういえばなんだか印象が違って見える。
上目遣いにどこか不審を込めた目で見返してくる。
家にたどり着いた途端、人が(いや犬が!)変わった様に不良犬になってしまった。
まるで、こちらの気持ちを試すように、これでもかっていうほど反抗してくる。
甘噛みが酷くなり、手はあざだらけになった。
寂しさと心細さと捨てられたという恨みがあったと、無言で訴えているようだった。
しかし、特別な事は何もせず、こうなったら根気比べと腹をくくり普段通りの生活をそのまま続けた。
顔つきが戻ったなと感じるまで、約一ヶ月掛かった。
すっかり落ち着いて、しっかりとアイコンタクトに答えてくるカイを見ていると、預けるのは可哀想だったなと後悔がよぎる。
犬の成長は早い。半年近いブランクは赤ちゃんから大人になったような開きがある。
いくら何度か経験があるといっても、カイにとってペットホテルは初めてのような不安があったのだろう。
しかし、今後365日カイに付きっ切りで世話が出来るという保障は無い。
力も強く、気も荒いカイの散歩は今でも家族のうち行けるものは限られている。
何かが起こったとき、どうしてもペットホテルに預けるという選択肢は欠かせない。
今の人間社会で生きている以上、犬は人間の生活にあわせざるを得ないのは、仕方ないと思っている。
世話しきれないから手放す、捨てるなんていう最悪の事態を迎える事の無いように・・・。
本当に大切だと思っているなら、一度信頼が途切れても、時間さえかければ取り戻す事が出来るのだから。
カイはどこか飼い主を冷めた目で観察している所があるけれど、こちらの気持ちもしっかりと理解しているようでもある。
付き合うにはなかなか奥が深い犬である。いや、それともきわめて単純なんだろうか?