ロッドスチュワート

Rod Stewart

ロッドスチュワート（ジェフベックグループ　フェイセズ）

　最初に聴いたビートルズの曲は（ラブミードゥ）だった。まるで、黒人みたいに歌っていたね。他にローリングストーンズも聞いたけど、僕は思ったよ。（連中はすぐに消えてしまう）って。一発屋だって思ってたんだ。

　ジェフベックに対しては不満に思ってたよ。僕が歌ってたのに僕をアルバムカヴァーに載せなかったんだから。だってそうだろう？ミュージシャンに（弾ける人間）と（弾けない人間）があるようにシンガーにも（歌える人間）と（歌えない人間）がいる。それはつまり、音程の問題じゃないよ。

　ジェフベックとビートルズを比べてみてよ。ギターを上手く弾くことがそんなに大事なのか。ビートルズのギターなんて褒められたものじゃない。だけど、歌うのはもっと大事だよ。ビートルズにはジョンレノンとポールマッカートニーの二人が居ただろう。それがどれだけ大切な事なのか。彼にはわからないのさ。

　僕らのバンドは良く言われたもんだ。（ビートルズみたいになれる見込みはないね）って。だけど僕らにはきっとレッドツェッぺリンみたいになれる可能性はあったんだ。レッドツェッぺリンはビートルズからきちんと学んだんだよ。オリジナル曲を作ることをね。僕らは。。。僕らはそうしなかった。だからイライラしたよ。僕らはみすみすチャンスを逃したんだ。

　
　ポールマッカートニーとはよく一緒に酒場にいたよ。なぜなら、ポールは独身だったしね。僕らは若くしてロンドンの夜を知り尽くしてたよ。僕は彼が好きだったんだ。なぜなら、彼は最高の曲を書いて、最高の歌を歌ってたんだからね。

　ポールはある時期、僕の兄貴みたいだった。だから、彼に相談したんだ。彼はまさに僕の人生の先輩だった。つまり、彼は以前、（荷物）を捨てることが出来たってことだよ。彼は言った。（君の歌は最高だからその（荷物）を捨ててもいいんじゃないか。）って。そうやって、僕は荷物を捨てて（大西洋を渡った）んだ。

◎３０年前に歌手としてデビューしたわけですが。

　３０年？まいったなあ。まだ僕は１９歳だよ。。なんてね。そう、デビューしたのは１９歳の時だった。

◎何を得たいと思っていましたか？自分自身のゴールをどこに定めていましたか？

　大勢のガールフレンド。それにスポーツカーかな。全てが自分の手に入ればいいのにと思っていたよ。。。。でも、本当のことを言うと僕は黒人達の音楽がやりたかったんだよ。マディウォーターズやサムクックみたいな。

◎あなたにとってロックンロールやソウルの魅力とは？

　　それは、ロックンロールやＲ＆Ｂの簡潔さだろうね。例えばソウルミュージックは文字どおり魂や心をゆさぶる音楽のことでパフォーマンス次第では大きな感動を与えることが出来る。僕自身はそれほどビートルズのファンではなかったんで、１０代の頃からソウルミュージックばかり聴いて育ったんだ。

◎貴方のビートルズの一曲は？

　　たくさん素晴らしい曲はあるけど、僕はそれほどビートルズに夢中にならなかったんだ。でも（Maybe I'm Amazed ）にしておくよ。この曲を聴いた後に呪ったもんだよ。何で僕らの歌じゃなかったのかってね。あとでフェイセズでカヴァーしたけど、うまくはまらなかったよ。やっぱりあれはポールが歌うべきなんだ。