朝が来る度に、わたしはひとり冷たい布団で目を覚ます
昨日の言葉に後悔しながら目を覚ます
もう随分あの人はここに居ない気がする
気づかない内に幻を愛していたのだ

知らない間に終わっていた一方的な恋は、夢の続きでまた探せる。
窓の外は雨で、わたしはここから旅立つ準備をした。
生まれて初めて纏めた荷物はポシェット一つに満たない。必要なものなんてあまり無い。
くくりつけた紐だけが頼りだ。
あなたの居ない世界に未来なんか無いと、言い切れたなら。
こんな風に惨めに泣かずに済んだのに。

初めから無かったかもしれない愛を折り畳んでポケットにしまい、わたしは両脚を揃えて跳んだ。