前回投稿した『欠席の理由』にもしかしたら関係あるかもしれない話。
高校時代の友人AからT一家が体験した心霊体験を聞いた数日後。
それから起きた、いくつかの体験談。
当時一人暮らしをしていた俺は、大学の飲み会から帰ってきて死んだ様に眠っていた。
変な夢を見る。
髪がセミロングくらいの女が寝てる俺の首をギュッと絞めてくる。
ただ、殺すつもりはないらしく苦しくなり始めたらスッと手を放す。
しかしまた呼吸が整うか整わないくらいでまた首を絞める。
その繰り返しが続き、さすがに怖くなって無理やり暴れてみた。
…そこで目が覚める。
「夢か。」
チラッと時計を見たら朝の10時。
結構寝たな…ん?
そこで気配を感じて玄関の方を見る。
当時の部屋の玄関は寝ている部屋に磨りガラスを挟んだ先にあり、玄関開けた向かいには寺と墓が広がっている。
その磨りガラスのところに誰か立っている。
女だった。
背の高い女が恐らくこちらに背を向けて下を向いて立っている。
あまりに驚いて声が出ない。
すると、女が頭をグワングワン振り回してクネクヌと動き始めた。
「うわ…」
その奇妙な動き方にドン引きして、声を出してしまった。
女はピタッと止まるとゆっくりとこちらに向く。
「これはヤバそう」
と、思った瞬間…
目が覚めた。
時計を見ると昼の11時。
「夢か」
と安心して起き上がる。
何故か磨りガラスは半分程開いていた。
それからしばらくしたある日。
また変な夢を見た。
俺が知らないマンションに忍び込み、ある部屋に入る。
ベッドに女が寝ていて、俺は意識していないのに体が勝手に女の首を絞める。
とんでもない殺意があるのか、ギューッと首を絞める俺。
………とある異変に気付く。
女は寝ているとはいえ一切苦しいそぶりを見せない。
それどころか表情一つ変えない。
疑問を持ちかけた時、女の目がカッと開いた。
俺とバッチリ目が合うと口をこれでもかと開いて大声で笑いはじめた。
「アーハッハッハッハッ!」
ヤバい!と思い逃げる……。
そこで目が覚めた。
すると、生まれて初めての金縛り。
しかも動かないどころか、胸がやけに重い。
何か金縛りって本当に縛られている感覚の人や、体中が痺れる人。誰かに押さえ付けられている人など様々らしいけど、俺の場合は遠心力で床に張りついた感じ。
腕を上げようとしてもペタンッと布団にまたくっついてしまう。
ぶっちゃけ今まで何回も怖い体験をしてきたにも関わらず、金縛りは初体験。
ワクワクドキドキしていた。
わぁ~本当に動かねぇ、みたいな。
しかし胸だけ重苦しいのは、ちと辛い。
何とか目を開けて胸を見るんだけど、何もいない。
すると、今度は何か
『ズッ……ズッ……』
と何かが這いずり回る音が聞こえる。
感覚で、
「あ~畳を這ってる」
と言うのは分かる。
流石に怖くなったし、徐々に音が近づいてきたので、無理やり横を向き携帯を取ろうと腕を動かす。
しかし、思うように体が動かない。
相変わらず部屋には『ズッ………ズッ……』
と何か引きずるんだか、這ってる様な音が。
何度も携帯を落としながらも『金縛りの時はその部屋の空気を変えた方が良い』
って話を聞いた事があったんで、何とか携帯を操作して、ヒルクライムの春夏秋冬を大音量でかける。
途端に金縛りは解けて、音も消えていた。ヒルクライムに助けられたww
家族に話したら、もう死んだ婆ちゃんも同じ体験をした事があるらしく親父が赤ん坊の時、腕枕をしていた。
すると金縛りにあって、押し入れから真っ黒な者が這って出てきた。
『息子を取られるものか』
と二の腕に力を入れるといつの間にか金縛りが解けていたが、腕は赤く腫れ上がっていたとか。
それからまたしばらくして、夜中バイトから帰ってきて寝ていた時のこと。
女が地元の友達をさらう夢を見る。
気持ち悪い夢だったが、目が覚めたらまた金縛りにあっていた。
「うわ、動かねぇ」
と、叫ぶと。
「フトシ、俺もだ」
と、隣で寝ているやつも動けないらしく、さらには
「げっ!俺もだ」
と、隣の隣の奴まで金縛りにあう始末。
おいおい、これはヤバいんじゃねぇのか?と思っていた矢先。
カン…カン…カン。
と誰かが外の階段を上がってくる音がした。
夜中の3時。
隣の家の人と信じる。
カン、カンカンカン。
無情にも足音は俺の家の前で立ち止まる。
完全に玄関にいる。なんだこの気配。
「これはヤバい」
隣のやつが慌てふためいている。
「こんな時間に…」
その隣のやつも上手く喋れない。
「あっ!」
汗だくになってきたころ、隣のやつが叫んだ。
「ヒルクライムだ!」
「それだっ!」
以前の金縛りの教訓を思いだし、また無理やり体を動かして携帯を持つ。
なんとかヒルクライムの春夏秋冬を流す。
すると体がスッと軽くなって、玄関の外の気配も消えた。
「うおっ解けた。
ありがとうな!」
隣の奴らにお礼を言おうと振り向く俺。
そういや俺一人暮らしじゃん。
部屋には誰もいないはずだわ。
最後。
大学の卒業式前日。
昼寝してた。
携帯が鳴ったから出た。
友達から。明日の打ち合わせだろう。
電話に出る。
ノイズが走った。
友達の声から徐々に女の声が入りはじめた。
「…………」
何かをブツブツ呟いているが聞こえない。
怖くなって電話を切る。とりあえず電話を放って布団に潜る。
金縛りにあった。
慌てて無理やり起き上がると、何者かに肩を抑えられて戻される。
携帯を取ろうとすると、頭が痛くなって耳元で女の呟きが永遠に聞こえる。
仕方なしに大人しくしていたらいつの間にか眠っていた。
就職と同時にその部屋を出たものだから、その後はどうか分からないけど今は誰も借りてないみたいですね。
まあ家賃は安かったなー。
利便性が驚くほど高いし。
でもとりあえずこのアパートの話はこれでおしまい。
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