日本政府がこの3月、国連の教育科学文化機関(ユネスコ)に、日本の書道を無形文化遺産に登録するよう申請します。昨年暮れに明らかになった話ですが、書写書道界に新しい風が吹き出したように感じます。

 

 書写(小・中学校での書道)・書道は、正月の書き初めや学校の授業などで身近な日本文化の一つです。しかし、社会のデジタル化が進む中で、書道人口は減少してきました。

レジャー白書によると、年に1回以上書道に触れた人は、平成22年に530万人だったが、令和2年は220万人と10年で半減したそうです。数字の数え方は難しそうですが「確かにねえ」と言う思いです。

 

 書文協(一般社団法人日本書字文化協会)は、園・学校を含む多くの書写書道団体と交流していますが、この登録申請決定以降「よし、やるぞ」と言う声を多く聞きます。書写書道人口の増加、コンクール参加数の増加など、今後いろいろな変化が起きてくるのではないでしょうか。

 書文協の審査委員長で、書写書道教育界で重鎮として知られる加藤東陽先生も「今後の学校教育、社会教育に大きな影響をおよぼすでしょう」と断言されます。

 

 言葉は国の基本。日本という国の成り立ちにも深く関係します。その自国語と深く密接な書写書道の今後の発展を祈念します。