2024年が始まりました。今年早々の公的な大テーマと言えば「自民党派閥が開く政治資金パーティーによる裏金問題」でしょう。派閥議員を使って企業に金を出させたパーティーの収入を議員から派閥に納金させ、ノルマを越えた分はキックバック(還流)していた事件です。金の動きは表に出さないまま、この還流分は裏金となっていました。

 

 特捜部がそこに捜査のメスを入れました。派閥事務所や議員の個人事務所、国会議員会館の事務所を家宅捜索する事態となっています。裏金は何に使われたのでしょう。まるで反社のヤクザのようなやり口ですが、還流だけではなく、最初からノルマを越えた分は派閥に収めない「中抜き」というのもあるそうです。中抜きの裏金はどれほどになるのでしょうね。

 

 自民党外にもあるのかどうか知りませんが、このやりたい放題の裏金作りをなんとか是正しなくてはいけません。自民党は解体して出直すことが必要なほどの事件です。選挙で選んだ国民の責任だ、と言う声もありますが、こんなことをしていたとは私もまるで知りませんでした。特捜部も大学教授の告発を受けて捜査に乗り出した形ですが、私が一番腹がたつのは、新聞はいったいどうしていたのだ、と言うことです。まともな調査取材活動をしていれば、ひっかかったはずだ、と言うのは言い過ぎですかね。

 

 企業の利益優先につながりかねない資金集めパーティーの規制など、抜本的な対策が必要です。しかし当面は特捜部の動きに注目です。捜査は在宅を以って良しとする原則は分かります。ですから何十人も議員を逮捕する必要はありません。しかし、悪い奴らはどんどん起訴して公民権をはく奪しましょう。国会から追い出さなくては。

 

 泰山鳴動して鼠一匹、では国民があまりにがっかりします。思い切りやってください特捜部さん。1976年7月27日、戦後最大の疑獄事件と言われるロッキード事件で、田中角栄前首相が東京地検特捜部に逮捕されました。当時私は全国紙の東京社会部遊軍(遊撃隊)記者。特捜の衝撃の手並みに感心しながら、超多忙な日々が始まったのを思い出します。

 一切の忖度なしで、やってください特捜部さん。タガが緩んで没落感のある日本の立て直しのために、政界の大掃除はぜひとも必要です