日本公認会計士協会が、平成21年6月1日に法務省に「会計監査人の選任議案及び監査報酬の決定権を監査役等に付与する措置の検討等について」として主に4つの提案をしています。
1つ目が、経営者と監査法人の利益相反を生じさせる事となる監査人の選任と監査報酬の決定権限について。
2つ目が、監査役の機能強化について。3つ目が、開示書類の一元化、そして4つ目がその開示書類の監査の一元化です。
まず現在の監査人の選定については、株主総会で決議されることとなっていますが、そこには取締役会が大きく依存しています。経営者(取締役会)は、自社の開示資料を監査してもらう監査人を自ら選べるのが現状です。すると、監査人の独立性に不信感が生まれ財務情報の信頼性の失墜につながる恐れもあるわけです。また同様に監査報酬も、経営者が監査人と協議の上、決定を下す事になっています。
経営者は監査報酬を低く抑えたい、監査法人は一定の監査品質を保ちたいと利益相反しているわけです。
そこで、その決定権限を監査役に委譲してはどうかという提言をしております。現在の上場企業の約97%が監査役設置会社(残りの3%は委員会設置会社)です。つまり、この監査役(会)の機能を強化し、権限を委譲し、監査役(会)を、監査人の選定および監査報酬の決定を下す機関としてはどうかということです。
そのためには、監査役の中で少なくとも一人は会計知識を有する人を置き、また上場会社は、その監査役をサポートする使用人の設置を積極的に推進していく事も必要であると提言しております。
開示資料については、現在金融商品取引法に基づき有価証券報告書を、会社法に基づき事業報告及び計算書類の作成が義務付けられ、またそれぞれ監査があります。
有価証券報告書と計算書類等には、それぞれ重複する項目があるので、その開示の効率性、監査の効率性を考えると一元化するのが望ましいことは明白です。
実際現場側の立場としても、この2つの書類が1つに統合されるとなれば、こんなうれしいことはありません。事務作業が大幅に減ります。
これらの提言について、今後の動向に注視していきたいと思います。
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