前払式証票法 | 財務・経理の実務

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前払式証票法という法律をご存じでしょうか。


自分は、会計・税務に携わっている経理人ですが、つい最近まで知りませんでした。


というか、あまりこの「前払式証票法」に関わる業界でなかったからかもしれませんが。


商品券を発行するには財務局に届出が必要


改めて、前払式証票法というのは、なんなのかと言いますと、


商品券やプリペイドカードなどで一定の要件を満たすものであり、これらを発行する場合は財務局に届出をしなければなりません。



全ての商品券が対象ではない


しかし、乗車券や美術館の入場券、6か月以内の有効期限のものについては、除外されています。



SUICAやPASMOも対象



さらに、前払式証票法の対象範囲は、ICカード(いわゆる電磁的記録によるもの)も含むとされていますので、

SUICAやPASMOなども、対象ということになります。


利用者への保全


1000万円超の未行使残高がある場合は、その半額以上を供託金として預けるか、金融機関と保全契約を結ばなければならない。

これは、商品券等の前払式証票を発行する会社が倒産した場合に、その利用者を保全する目的があります。つまり、発行会社が倒産した場合に、利用者が持っている商品券がただの紙切れにならないように、供託金等から一部が利用者へ還付される仕組みとなっているわけです。



問題点


現在は、有形の商品券やICカードが対象ですが、無形のもので、これらと同じように前払い式のものについては、この法律では規制されていません。

しかし、有形、無形問わず経済実態が同じであるならば、当然無形にも同じような仕組みが取り入れられても当然であります。

そこは、現在政府が検討している段階となっています。



会計処理


(通常)

発行時:現金/前受金(商品券等)

利用時:前受金/売上


(商品券の発行を中止した場合)

中止時:前受金/雑収入

その後の利用に備えて・・・

期末時:商品券回収損引当金繰入/商品券回収損引当金



税務上の取扱い


法人税法ではこの商品券の発行については、発行時に全額収益計上し、それに対する費用を見積計上することが原則になっていますが、税務署の確認を受けたものに関しては、例外として預かり金処理として、会計と同様に毎期ごとに収益にあげることができます。