学生の時は漠然としか思っていなかったが、社会人になると特にビジネス感覚を養う努力が必要になるということを痛感する。
経理は与えられた請求書を仕訳に起こし会計システムに入力する…いわゆる「集計」「入力」の繰り返しで、端から見るととてもたいくつで代わり映えのしない職種であるという印象を持っている人も多いかもしれない。
しかし、経理に求められているスキルはその程度ではない。
大企業や世界展開しているようなグローバル企業では、英語必須であったりするケースも少なくない。
また、グローバル企業でないとしても上場企業であるならば開示をするために金融商品取引法を知っておく必要もある。
また、開示資料を作成するには、その会社の業界知識や動向にアンテナを張っておく必要もある。開示資料を作成するのは、IRを担当している部署である場合もあるが、小規模な会社では経理が担当することも少なくない。
また最近では内部統制の充実化からITの知識を兼ね備えている必要も出てくるだろう。
つまり、経理は会社の全てを知る必要があるリベロ君なのである。
ここである程度経理業務をレベル分けして整理していこうと思う。
レベル1
集計・入力
やはり、経理の基礎は集計し、その結果をシステムなどに入力する業務である。売上のデータや経費のデータを会計システムなどに入力する。
この集計・入力作業には簿記の知識が必要である。
レベル2
財務諸表の作成
仕訳に基づき会計システムに入力された、結果をもとに貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表を作成するスキルがレベル2である。最近の会計システムではこういった財務諸表は仕訳を入れれば自動的に作成されているので、財務諸表を作成しているというイメージを持たないかもしれないが、貸借対照表の結果の数字の信憑性(たとえば現金預金が銀行残高と一致しているかなど)を確認できるスキルがこのレベル2にあたると考える。これには財務諸表の仕組みや貸借対照表と損益計算書のつながりやキャッシュフローの仕組みを理解する必要がある。
レベル3
決算
経理は月次と四半期決算・年度決算に業務が分かれます。月次は毎月必要な処理を行う事です。売上・仕入・経費など毎月継続して発生する事象を仕訳に起こし会計システムに入力します。四半期や年度の決算については、月次レベルで計算はしていないが、開示をするため、税金を納めるために必要な仕訳を起こします。具体的には、貸倒引当金の見積もりや、固定資産の減損判定、棚卸資産の整理、税金の計算、税効果会計などがこれにあたります。
レベル4
管理会計
経理の醍醐味はこのレベル3に大半はあると思う。この管理会計は、会社内部で会社の財務状態が今どうなっているのかを把握することを目的としており、今後の経営活動に生かすために必要な作業である。
管理会計で経営者が欲しい数字を会計システムなどから出力し計算・集計する応用力が求められる。
レベル5
開示資料の作成
会社法や金融商品取引法などの法律規制で株主や投資家に会社の財務状態を知らせる必要があるが、この開示資料の作成には一定のルールがあり、どういった項目をどういった内容を記載して開示するかということが定められている。しかし、事細かに定められているわけではなくある程度含みを持たせて決まっている。
この開示資料(主に有価証券報告書)には、世界経済の動きや日本経済の動き、業界の動向、会社の経営成績の状況などを記載することが求められているので、結局は全ての部署、ひいては経済全体の動きにアンテナを張っておく必要があるというのはこのことである。
レベル?
各社のレベルに応じたスキル
これは、会社に応じて必要なスキルがあるため、必要がない場合はもあったり、なかったりするスキル。
たとえば、連結についての知識。これは連結決算を行っていない会社であれば、必要のないスキルですが、連結決算が必要な会社は意外とあります。
あとは、英語などの語学力。これは言うまでもなくグローバルな企業や外資系企業に勤める場合には必要なスキルです。外国からのレポートなどが英語であったり、外国の親会社に提出するレポートを英語で作成する必要があったり、開示資料についても外国会計基準で作成する必要があったりと、語学力に強い人は様々な会社で必要とされます。
この他、多くの企業では経理=財務(ファイナンス)という企業も多いでしょう。その場合には、会社の財務諸表の適正化や銀行との折衝やM&Aの知識などのスキルを求められることもあるでしょうから、そういったスキルを身につけておくことで仕事の幅を広げることができます。