犬の体の痒みは、アレルギー、細菌感染、寄生虫感染、腫瘍、内臓疾患など、様々な原因がありますが、中でもアレルギーと細菌感染が最も多く、皮膚病の2大要因と言われています。
犬の体は全身が被毛で覆われていますので、外部からの刺激には強いように見えますが、皮膚そのものは非常に薄く繊細な構造になっています。
皮膚の厚さも人間の皮膚の3分の1から5分の1程度しかありませんので、非常に薄くデリケートだと言われています。
そのため、抜け毛が起きると、薄い皮膚がそのまま外部にさらされる事になるため、皮膚の痒みや炎症などの異常が生じやすくなります。
また、シャンプーをやりすぎると皮脂が極端に少なくなるため、乾燥しやすくなり、痒みを誘発しやすくなります。
お腹や足の付け根、尻尾の付け根などは、他の部位に比べて皮膚が薄く弱いため、アレルギーや感染症などの症状が現われやすい傾向にあります。
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アレルギーは、空気中に浮遊しているホコリや花粉などのアレルギー物質を肺から吸い込む事や、食事に含まれる特定のアレルギー食品を摂取する事によって起こるケースが大半と言われています。
また、中には金属や皮革製品などのアレルギー物質に接触する事で、アレルギー反応が起こる場合もあります。
アトピーは、アレルギーの代表的な症状の一つですが、皮膚に病変が現われる場合の他にも、鼻炎、気管支炎などの症状が出る場合もあります。
また、アレルギーによって嘔吐や下痢を起こしやすくなる事もあります。
犬がアレルギーを起こすと、その大半は皮膚に激しい痒みが生じるようになりますので、体を何度も噛んだり、引っ掻く事を繰り返すようになります。
皮膚の常在細菌は、皮膚の痒みや炎症をさらにひどくするため、アトピーやアレルギーの症状悪化に関与している事が知られています。
そのため、犬の体を清潔に保ち、衛生的な生活環境を確保して、症状の悪化を防ぎながら、アレルギーの原因物質を排除していく事が必要になります。
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また、アレルギーによって嘔吐や下痢を起こしやすくなる事もあります。
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細菌感染による皮膚の痒みは、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌、マラセチア菌などの皮膚常在菌が異常繁殖を起こす事によって引き起こされます。
これらは健康な人や犬にも存在している細菌で、異常繁殖を起こさなければ、痒みや炎症などの異常が生じる事はありません。
しかし、細菌の栄養源となるフケや皮脂などの汚れが多く溜まっていたり、シャンプーのやりすぎやシャンプーの成分が強すぎる事などで、皮脂が極端に少なくなり乾燥していると、皮膚のバリア機能が弱くなるため、皮膚の細菌やカビが繁殖しやすくなります。
また、アトピーやアレルギーを患っている場合には、免疫を抑制する薬を常用していたり、皮膚が傷付いて弱くなっている事から、このような皮膚の常在菌が繁殖しやすくなります。
細菌性の皮膚炎は、ほとんどの場合において強い痒みが生じるため、犬は我慢できずに何度も体を噛んだり、引っ掻く事を繰り返すようになります。
それによって皮膚が次第に傷付いていくため、細菌感染が皮膚の深層部へも進行しやすくなり、傷の化膿やかさぶた、血や体液でじゅじゅくした傷（ホットスポット）ができたり、治りにくくなる事があります。
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犬が感染する寄生虫は、蚊が媒介するフィラリアが最も有名で、特に注意が必要ですが、皮膚の痒みを引き起こす原因となる寄生虫は、ノミによって生じるノミアレルギーが最も多いと言われています。
ノミは犬の体から血を吸う時に、皮下に唾液を注入します。
ノミアレルギーは、そのノミの唾液の成分に対してアレルギー反応を起こす事で、激しい痒みを引き起こす事になります。
一度ノミアレルギーを発症した犬は、体内の免疫機能がノミの唾液を異物（抗原）として記憶しますので、生涯に渡って発症しやすい体質になります。
そのため、たった1匹のノミの寄生だけでも、激しい痒みを誘発する原因になる事があります。
犬は痒みを我慢できずに体中を掻き毟るため、次第に皮膚が傷付いていき、細菌やカビによる二次感染が起こる場合もあります。
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