【正常破格】
1.上腸間膜動脈(SMA)~
SMA-右肝動脈
SMA-右亜区域枝
SMA-右亜区域枝の1分枝
2.左胃動脈(LGA)~
LGA-左肝動脈
LGA-左外側域枝
LGA-左亜区域枝
3.腹腔動脈~
腹腔動脈-右肝動脈or右肝動脈の枝
総肝動脈or背膵動脈-右肝動脈or右肝動脈の枝
【側副血行路】
肝動脈の狭搾・閉塞や腫瘍が肝辺縁に存在あるいは
肝外に突出する場合に発達し、腫瘍栄養動脈となる。
①下横隔動脈
9割近くが大動脈(腹腔動脈直上部が多い)または腹
腔動脈起始部より分枝する。
右下横隔膜動脈の約10%は腎外より分岐する。
副腎動脈、肋間動脈、左胃動脈、胃皮膜動脈との吻
合やこれらの動脈からの分岐がみられる。
肝右葉上部(S7,S8)の腫瘍が栄養を受けることがほとんど。
②副腎動脈
上・中・下の副腎動脈が通常は各々下横隔動脈、大動脈、
腎動脈より分岐する。
肝右葉下部の腫瘍が下方に肝外発育をしている場合。
右下副腎動脈が関与することが多い。
中副腎動脈が関与する場合、稀に左中副腎動脈が関与
していることがある。
③腎被膜動脈
上腎被膜動脈は下副腎動脈・腎動脈本幹より、
中腎被膜動脈は腎動脈本幹や主分枝より、
下腎被膜動脈は精巣動脈または卵巣動脈より分枝する
ものが多い。
肝右葉下部の腫瘍(肝外発育型や切除後再発)が栄養を
受けることがある。
この場合、右腎被膜動脈の関与が主体である。
④肋間動脈、肋下動脈
右葉外側の肝表面に存在する腫瘍あるいは肝表面に
達する大きな腫瘍の一部が栄養されることがある。
主に第10-11肋間動脈、肋下動脈が関与する。
下横隔動脈との吻合や肋間動脈間の吻合がみられる
ことがあり、造影で関与している血管の上下肋間動脈
や下横隔動脈のTAEも合わせて行う必要がある。
⑤大網動脈
肝右葉下部の腫瘍が栄養されることがある。
多くは肝外突出型や腫瘍出血例(腫瘍破裂の既往が
ある例)あるいは肝切除後の再発例にみられる。
右胃大網動脈の1本ないし数本が関与することが多く、
選択的にカテーテルを進めてTAEを行う必要がある。
⑥傍胆管動脈・胆管周囲動脈
肝切除後や肝動脈のTAEを繰り返した例で、発達した
これらの動脈を認める。
胃十二指腸動脈、後上膵十二指腸動脈などから分岐
する1ないし数本の屈曲する細い動脈として認める。
⑦内胸動脈
内胸動脈末梢枝であるensiform branchを介して肝鎌
状靭帯から肝内動脈と吻合。
横隔膜直下の正中、腹側に存在する腫瘍(肝S2,S3,S4,
S8)が栄養を受けることがある。
⑧その他
肝外に発育する腫瘍では上記の血管以外に左胃動脈、
右・中結腸動脈などが側副血行路として発達することがある。
