今日は朝から雨模様だったので、

 1号と2人で歩いて学校まで行った。


 いつもは怪獣父が自転車を押し1号が歩く道を

 手をつなぎながら、他愛の無い話をしながら

 ゆっくりと2人で歩いて学校まで行った。


 今日は授業参観の日なので学校は午前授業、

 1号もそれを知っているせいか、顔も晴れ晴れとしている。

 雨と言う事もあり、外は少し寒かったが、

 怪獣父の手袋を2人で片方づつ使って歩いた。


 手袋をしていない手で手をつなぐと1号の暖かさが伝わってくる。

 ドキドキしながら、緊張しながら、色んな思いの詰まった温もり。

 

 やがて、学校に着くと1号は手袋を取って、

 『父ちゃん、ありがとう!』と言い、学校へと入っていった。

 どれほどの思いで学校に行っているのであろうか、

 怪獣父にも分からない。

 小さな背中がなんだかとても大きく逞しく見えた。 


 手に残る1号の温もりを僕は忘れないと思う。