第5章 ドキドキの初入院
入院日、予定の時間に病院に行き、今田さんと合流、
入院の手続きをして、病室に案内される。
用意された個室に入り、持ってきた荷物を片付ける。
間も無く看護士が現れ、病衣を持ってきてくれた。
入院に当たっての書類や聞き取りなどがあり、
暫くは時間がつぶれるが、すぐに暇になる。
午前中の入院で、とりあえず昼ご飯までは時間がつぶれたが、
その後は、時折麻酔医の問診や看護士による血液の採取などがある程度で、
自分以外に誰もいない部屋でテレビを見るか、本を読むか、DSをするぐらいしかなかった。
昼寝でもしようかとも思ったが、体が疲れてない上に夜に寝られなくなると困るので、
そのまま起きて時間を潰していた。
病院内をウロウロしたり、売店に行ったりしたが、それほど時間は潰れず、
手術に向けてのしおりを読み返したり、訪れた看護士さんと話をしたりしていた。
看護士さんは一様に『ドナー提供するなんて凄いですね』と言っていたが、
自分の中にそれほど凄いという感覚がなかったので『はぁ、そうですか』ぐらい
の返答しか出来ずにいた。
あまり、凄いを言われるとそんなにどえらいことなのか?と言う感情が芽生えてきて、
若干、恐怖を感じたが自分の力でどうなるものでもないので考えるのは止めることにした。
あまり美味しいとは言えない晩ご飯を食べて、夜9時以降は絶食となる。
9時5分位前にお茶をがぶ飲みし、体の渇きに備えて消灯時間を待つ。
怪獣父のムフフな想像によると、今夜くらいにアヘヘな出来事が
起こっても不思議ではないのだが、当然の事ながら何も無かった。
体験談では、夜緊張のために眠れなかったと言う意見も多かったが、
怪獣父の場合、昼寝しなかったこともあり、消灯と同時に眠ることが出来た。
枕が替わっても、状況が変わっても、眠ることの出来る体に感謝しながら、
いよいよ、手術日の朝となる。
朝の6時くらいに看護士が採血にやってくる。
寝起きの注射は目が覚めるかと思いきや、注射終了と同時にまた爆睡、
しばらくして血圧・体温の測定でまた起こされて、また寝る。
他の用事でも看護士が何回か訪れ、そのたびに寝ては起きることを繰り返し、
看護士には『凄い』とこれまたお褒めの言葉を頂いた。
手術時間は朝9時。
いよいよ、その時間が迫ってきた。
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