金部分に剥げはあるものの、今でもクオリティの高さがうかがえる造形、そして彩色。
この時代のソフビは、けっこう硬いんですよね。振り回すと完全に凶器です。
前から。
バトラは本当にデザインがカッコいい。
昭和時代にメガロという昆虫怪獣が登場して、そのデザインも中々カッコよかったのですが、平成になってバトラでよりブラッシュアップされた感がありますね。
モスラから始まって、クモンガ・カマキラス・メガロと来てのバトラ。この後、デストロイア集合体を経て、メガギラスへと移り変わる巨大昆虫型怪獣。もちろん、平成ゴジラと並行して、ガメラⅡのレギオンも忘れるわけにはいきません。
こうして並べてみると、巨大昆虫型怪獣は数が多いだけでなく、デザイン的にもユニークなものが多いですね。
斜めから。
巨大な前部分が魅力的。
モスラが一直線なのに対して、バトラは上体を起こしたような構造になっている。これにより、ある程度の体高とボリュームが与えられています。
この時代のソフビの彩色は、本当にレベルが高いな。
赤い斑点や黄色い爪など、細かいところまで丁寧に彩色。
90年代から00年代前半にかけて、食玩・フィギュアのクオリティがどんどんエゲつないものになっていった。それと並行して、ソフビの造形や彩色も、本当に「執念」が感じられるようなものが多い。その当時に比べると、やっぱり今はだいぶ寂しくなったなあという感じがします。お金がないんだろうなあ……。
後。良い意味で、とんでもなく気持ち悪い。
後ろ部分だけ切り取って水辺に浮かべたら、完全に突然変異したフナ虫ですよ。これは相当怖い。
怪獣にはある程度理解があるうちの嫁が、このバトラ幼虫だけは絶対に触りません。とにかく後ろを見たくないそうです。
しかしまあ、後ろから見ると、棘や疣の作りこみが凄まじいんだこれが。
真ん中を通る赤い線の毒々しさも好きです。
虫嫌いにはきつい、後ろ部分のアップ。
先端は三本角。こんな風になってたんですね。
顔のアップ。
超獣みたいでカッコいいですねえ!!
昔持っていた本に、「バトラは地球のまもりがみで、たたかうことしか知らない怪獣だ」って書いてあったのが、妙に記憶に残っています。
守護神でありながら、戦闘神? って、当時は疑問に思いましたが、平成ガメラも含めて、「守り神なんだけど強くて、人間の脅威にもなる存在」ってキャラクターは平成以降、非常に多くなりましたね。『GMK』の護国怪獣とか、全部そうですもんね。
ドアップ。
ウルトラマンAに登場する超獣的な意匠も入っていて、非常に良い。
切れ長の赤い目が、モスラの温厚さと対をなしています。
頭部の巨大な角が良い。
ここから強烈なエネルギーを放ちます。
さて、可動ですが、これ動くの? とか思うなかれ。
実は分割線が3か所あって、それなりに動くんですよ。
だから体をひねったり、
左右どちらかを浮かすことも可能なんです。
これは楽しいですね。
進撃のバトラ。
劇中でも、街中を進行していましたね。
バトラは腹ばいの虫が上体を起こしているので、頭部が建物の近くに来ます。
この構図は新鮮ですねえ!
建物の屋上からのナメ視点など、非常に良い画が作れそうです。
あるいは建物を一列に並べておくことで、
一直線に進むバトラの様子を再現したりもできる。
さて、このバトラですが、ゴジラと海上で戦ったのち、一度はマグマに飲み込まれました。