母親が知り合いから貰ってきたソフビたちを譲り受けました。基本的には息子の方に回すんですが、旧規格のソフビについては僕の方で受け付けているんです←おい。
さすがに経年劣化のために両足が地面につかなかったり、若干の臭いがあったり、傷が多かったりしますが、旧規格のソフビはいずれも造形的、あるいは彩色的に出来が良いのが多いのでね。臭いについては、重曹洗いで何とかなるかなと思っています。
ということで、今回もさっくり紹介していきましょう。
①一角超獣バキシム
ウルトラマンAに登場。
この超獣は以前にも紹介しましたが、これはさらにもう一つ前のタイプです。足裏を見ると、1989とありました。ちょうど、僕が生まれた年ですね。
口の中が肉抜きされていなかったり、全体的なボリュームに乏しいなどの欠点はありますが、32年前のソフビだと考えると、驚くほどのクオリティ。ブルーの輝きが、とってもキレイです。顔つきも、前に紹介した大怪獣バトル期のものより、似ている気がしますね。
②妖艶宇宙女王 レディベンゼン星人
ウルトラマンゼアスに登場。なんと声優を、あの神田うのさんが務めた、意外とリッチな宇宙人。
デザインはかなりきもいですね。ただ、口の中の牙の塗分けや、胸部分の黄色の引き立たせなど、細かいところまで手が込んでいます。
ウルトラマンよりも、『MEN IN BLACK』に登場するエイリアンのようですね。
③超古代狛犬怪獣 ガーディー
ウルトラマンティガに登場。この怪獣はよく覚えています。ただ、本編の造形とはけっこう異なっているようですね。
イーヴィルティガの暴走を止めるために戦い、儚く散った善の怪獣。ウルトラマンと同じく、カラータイマーがあるのが特徴です。
ソフビの出来は、まあまあ大味。もう少し彫りこみができたのではと思いますが、大味だからこそムラが少なく、また経年劣化に耐えうるという良点も間違いなくあります。
③催眠怪獣 バオーン
ウルトラマンダイナに登場。
豚みたいな変な顔ですが、鳴き声に催眠効果があり、相手を眠らせてしまう。ある意味で「最強の怪獣」。
ソフビは足が少しねじれていますが、尻尾があるために自立します。口の中や瞳など、塗分けがすっごくきれいですね。
④Sカプセル影獣 ダークラー
ウルトラマンゼアスに登場。敵役ウルトラマンシャドーが使うカプセル怪獣の一体です。
ゼアスは基本コミカル路線ですが、コッテンポッペやダークラーみたいに、彫の深い、かっこいい怪獣が多い。このソフビ版ダークラーも、あちこりがトゲトゲでやばみを感じます。金の彩色もきれいですね。
⑤宇宙有翼骨獣 ゲランダ
映画『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』に登場。ダイナの怪獣だという認識でしたが、映画登場怪獣だったのね。
ブルーの彩色が綺麗です。白と青が、宇宙空間で映えそうな色の組み合わせですね。造形的にも、奇抜ながらかっちりはまっていて、とてもカッコいいです。
⑥変異昆虫 シルドロン
ウルトラマンダイナに登場。
二足歩行の往年怪獣スタイルですが、虫感がかなり強い。苦手としそうな人が多いデザインです。
ソフビ自体は、ダイナ放送中に発売されていたものだと思います。頭部の分割がかなり目立ちますね。劇中ではもう少しボリュームがあったと思うのですが、このソフビでは非常にスリムになっていて、それが逆に虫の気持ち悪さを出していると思います。
色のカスミなど、経年劣化は一番著しいながら、頭部の作りこみなどは好印象です。
⑦金属生命体 アパテー
ウルトラマンガイアに登場。第3話登場ということで、けっこうな古参です。
鎧をまとった姿というと、ウルトラセブンのボーグ星人が思い浮かびますが、より古風な鎧の意匠がカッコいいですね。二本の足でしっかり自立するし、体のバランスも良い感じです。表面の岩のようなざらついたディテールも、非常に丁寧。今、キリエロイドがアーツ化されていますが、このアパテーも可動豊富なアクションフィギュアとして売り出したら、きっと人気が出ると思います。
⑧自然コントロールマシーン エンザン
ウルトラマンガイアに登場。漢字で書くと「炎山」ということで、氷河期を防ぐために地球気温を上昇させる目的を持ち、熱波を武器とする怪獣です。
頭部は『帰ってきたウルトラマン』のノコギリンを彷彿とさせるデザイン。頭部と胸部に幅的な境界がない寸胴感に、マシーンらしさがあって好きです。身長は低くとも、巨大なハサミが威圧するように伸びていて、ボリューム不足をまるで感じさせません。
銀色部分の未来感と、腹部の篆書体の「炎山」の組み合わせがすごく好きです。こういうところのデザインは、現行の空想世界観にも非常に影響を与えているかもしませんね。あるいは、そのような時代の潮流の中で、こうした魅力的な怪獣がたくさん出てきたのかもしれません。
⑨宇宙雷獣 超パズズ
ウルトラマンガイアに登場。ガイアの中で一番好きな怪獣が、この超パズズです。
こいつだけは母親知り合い経由ではなく、メルカリで買いました。ここに合わせて紹介しておきます。
アッカドに伝わる風と熱風の悪霊「パズズ」。『エクソシスト』にも登場してきた悪魔の名前を冠した怪獣。その恐ろしい顔はどこか東洋的で狛犬の意匠を持ち、しかしその背中は天使のようでもあり、頭部には悪魔のシンボルでもあるヤギの角が生えており、それでいて設定上は本来悪意のないおとなしい怪獣であって根源的破滅招来体に操られて悪魔的な強さを発揮していたのだという、この「超パズズ」。設定、デザイン意匠、とにかくカッコいい!
ソフビは頭部に注目ですね。隈取のような部分もしっかり表現されていて、ムラがありません。ガイアの怪獣はどれもとにかく彫が深く、「濃い顔」をしていますが、それに近づけようとするBANDAIの魂が見える一体でもあります。
⑩電脳魔神 デスフェイサー
映画『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』に登場。大怪獣バトルでは、なんとラスボスになる。
HGシリーズのガチャポンでこいつばっかり引き当てた過去があって、あんまり良い印象がなかったデスフェイサー。しかしソフビ大を見ると、なかなか渋くて良いじゃないですか。うろこ状? スフィア状? の表面の数部分が赤や黒で塗られており、それがとても丁寧な仕事です。
ウルトラマンコスモスに登場。この「動け! 怪獣」はコスモスの中でもトップ15に入る好きな回です。
骨を意識した意匠の怪獣といえば、亡霊怪獣シーボーズですが、このムードンはシーボーズをコスモスの世界観の中でアップデートした感じです。ストーリー自体は、スカイドンが登場した「空からの贈り物」に近いものがありましたね。
ソフビの出来は、白の骨格硬質部分と、黒の軟質筋組織部分の組み合わせが見事で、怪獣然としたスタイルがとてもカッコいいです。全体的に洗練されたデザインで、「ふくらみ」を感じるソフビだからこそのボリュームが見事に決まっています。両足が設置しないのが欠点ですが、手に入ってとてもうれしいです。
以上、レスキュー怪獣たちの紹介でした。
ラインナップを見ると、平成怪獣多め。譲ってくれた家の年齢層がうかがえます(笑)
旧規格のウルトラ怪獣シリーズは、ネクサス~大怪獣バトル期の特にDXシリーズ以外は、さほど高騰しない(実際は定価の2倍以上になるが、そもそも600円なので、現行DXよりも安くて済む)ので、集めやすいんです。それでも、これだけの量を、しかも再販されずにテレビ放送中発売にとどまった怪獣たちを手に入れられたのは、とてもありがたい機会でした。ソフビはこうやって受け継ぎ、受け継がれっていうのが、ぬいぐるみやアクションフィギュアよりも適したおもちゃだと思っているので、つながりと縁を大事に、新しくやってきた彼らも大事に、していこうと思います。
ということで、それぞれのソフビのレビューはまた別の機会に。どんどん宿題が増える。--。