一角超獣 バキシム | 怪獣玩具に魅せられて

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『ウルトラマンA』の第3話「燃えろ! 超獣地獄」に登場した、一角超獣バキシム。
個人的には、ウルトラ怪獣シリーズの中で1,2を争うほど好きな怪獣です。いや、超獣か。少なくとも、ウルトラ超獣の中では文句なしのNO.1。ウルトラファンの中でも、非常に人気な超獣の一体ですね。今回は、そんなバキシムのソフビを紹介します。

僕は平成1年生まれなので、ウルトラシリーズについては昭和ウルトラマンの再放送や怪獣図鑑などで、片っ端から名前を覚えた世代です。子どもの頃は完全に怪獣派で、ウルトラマンよりも怪獣が大好き。そんな中でもこのバキシムはとにかくインパクトが強くて印象に残った怪獣でした。正直、こいつがいるから『ウルトラマンA』シリーズそのものを贔屓目に見ているってのはある。ストーリーとしては実際、『タロウ』の方が好きな話が多かったし。

 

ソフビ自体は、『大怪獣バトル』時代のもので、比較的新しい。『ギンガ』以降、一回り小さくなる寸前のソフビですね。

ちょうど『メビウス』以降で、バキシムの着ぐるみが改めて作られ、超獣の代表として頻繁に登場することになる時分と重なっています。

 

前から見た図。

宇宙怪獣と芋虫を合体させた超獣。首から下が芋虫のような段々になっている。

名前の由来は、牙虫(キバムシ)を反転させて虫牙、それを逆から読んでバキシム。中々クレバーなネーミングセンスです。

下半身は比較的ぼってりと、頭部になるにつれて小さめになっていくシルエットはレッドキングのよう。身体の段々にも共通する点がある。ただ、バキシムの方が情報量が多い+本当に頭が小さいレッドキングとは違って頭部にも奥行きがあるので、まったく違った感じも受けます。

少し長めめの首も含めて、全体のバランスが絶妙ですね。

 

横から見た一枚。

正面からでは分からない、様々な造形がうかがえます。オレンジの部分の殆どは、正面ではほとんどが隠れてしまう。

角度によってかなりハッキリとデザインが変わるのも、このバキシムの面白い所。

 

頭部。この顔がとにかくカッコいい。

『A』本編登場時に比べると、ちょっと短めの顔ではありますが。

『A』が始まって、ベロクロン、カメレキングと来て、このバキシムですよ。

造形的な派手さや色の多彩さはあれ、ベロクロンもカメレキングも顔付に関して言うと、往年の怪獣らしさがありました。

一方、バキシムのこの直線構造というか何と言うか……どうとも形容し難い不思議なデザインは唯一無二のもの。一度見たら忘れられず、見れば見るほど好きになります。

『メビウス』以降は、目の中に照準器が仕込まれ、より「生体兵器」的な感じが強まりました。

 

牙がない口には嘴があり、鳥のようでもあります。

下顎には髭のような突起(棘?)が。さすがに肉抜きされていませんが、頑張って表現しようとしていますね。

 

首から下の段々にも注目。

腹部の柔らかさと、背中部分の硬さが好対照。ソフビでも材質をしっかり表現しています。

 

 

後姿。こちらは鉱石のような硬質さ。

劇中では、下の方にあるドーム状の凸が発光していました。これがまた、機械っぽくて良かったんですよね。

岩から削り取ったような尻尾も印象的です。

 

牙や棘のある芋虫ということで、身体の色んなところからトゲトゲが。

足の横からも棘が出ている。

 

肩書は一角超獣。その名が示す通り、頭部には大きな角。

ミサイルのように飛んでいきます。

ソフビなので一応マイルドな尖り具合。これはバキシムについている全部の棘に共通しています。

 

 

可動部は、四肢と腕の前後、尻尾。首は固定です。

腕が動くだけでもポージングに雰囲気が出ます。

嘴や手の先からミサイル、頭部の角はロケット弾、7万度の火炎放射など、様々な兵器を搭載。しかもそれが、これ見よがしな「ロボット怪獣」ではなく、怪獣としてのデザインの中に入れ込まれているというのが、超獣デザインの凄いところです。

 

いやあ、カッコいいなあ。

生気を感じさせない、緑色の瞳も綺麗ですね。

オレンジ、青、そして緑……すごく派手な色使いですが、それがサイケにならずにデザインとして完成している。超獣の傑作だと思います。

 

よく見ると、色んなところの造形の細かさがソフビでも分かります。

大きな段々の両際には、ちょっと気持ち悪いぶよっとした造形が。

1つ1つ穴が開いている。この辺の手のかかり具合は、ミサイル超獣ベロクロンの背中の珊瑚1個1個についていた穴と同じ。

 

このソフビ、バランスが絶妙でちゃんと自立します。

直立態勢で、尻尾側の方が造形としても大きい。こういう場合、前傾姿勢にしないと後ろに倒れそうなもんなのに、この状態で自立を保持し続けられます。これは凄い。

 

アーツのAと絡めてみた。

ベロクロンと違って、アーツの大きさではちょっと背丈が揃わないかな。

 

 

怪獣図鑑の表紙とか番宣スチールにありそうな戦闘シーンの一枚。

 

ウルトラスラッシュ!

アーツにもACTにもウルトラスラッシュのエフェクトパーツがないので、寂しい感じにはなりますね(笑)
ボリューム感があるバキシムなので、ウルトラマンの中でもパワーファイター体系のAは良く合います。
 
続いて、ACTのAと絡ませてみた。
今度はちょっとデカい(笑)中々、ちょうどな体高差になりません。
ACTは理想的なプロポーションでの造形化なので、ボリューム同士の戦いにはなりません。
 
ただし、ACTにはAブレードという名のドスが付いてくるので、
バキシムの頭部吹っ飛びシーンを、攻撃技を変えて再現可能。
ACTのAについては、次の記事で詳しく紹介します。
 
最後に、バリエーションの紹介。
この記事で主に紹介したのは、前述の通り「大怪獣バトル」期のバキシム。
それに先立って2004年の『メビウス』放映当時に出たバキシムも持っております。
 
造形自体はまったく同じ。青い部分が、メビウス版は紫なんですよね。
どっちが本編に近いかと言うと、悩むところであります。色合い的には、絶対に青なんですが……色の濃さで言うと、実は紫くらい濃いんですよね。
 
ということで、カメラの方を調整して、青が濃くなるようにした。
渋いっ!
 
50年くらい昔のデザインなのに、これを超える怪獣のデザインって、そうお目にかかれない。
これはウルトラマンも同じですね。以前「アメトーーク」のウルトラマン芸人の回で、博多華丸・大吉の大吉さんが仰ってたことでもありますが、何十年も昔にできたデザインを、今になっても見飽きることがない。これって、本当に、歴史的と言っても良いくらい、凄いことなんだと思います。
 
 
 
あと、このバキシムが登場する「燃えろ! 超獣地獄」もおすすめです。シリーズ第3話にして、Aを通じた宿敵である異次元人やプールのおぞましさが分かる、非常に恐ろしい話でもあるし、超獣がただの生体兵器でなく、それ単体で計略を練り実行する恐るべき敵であるということがよく分かる回でもあります。あと、「本当です! 信じてください!」の走りでもある(笑)。Aの中に共通する色んな要素を最初期に、そして一番ドぎつく出した傑作回だと思っています。私は円谷プロの回し者ではありませんが、「燃えろ! 超獣地獄」未見の方、是非とも一度、ご覧いただきたいです。