国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは22日、トリポリで20日以降少なくとも62人の死亡が確認されたと発表した
 国営テレビは21日夜、首都トリポリで「テロリストの根城」に対する攻撃を開始したと伝えており、体制側はデモ隊への弾圧を一層強めたもようだ
 トリポリの医師が22日付アラブ圏紙アッシャルクアルアウサトに語ったところでは、市の路上には多くの遺体が放置されている体制側の雇ったアフリカ系外国人兵が病院に侵入し、負傷者を殺害しているという中東のテレビ局アルアラビアは、国際刑事裁判所(ICC)当局者の話として、弾圧の死者が600人に上ったと伝えたその上で「最後の血の一滴まで戦う【カイロ時事】反政府デモ隊と軍・治安部隊などとの衝突で騒乱状態にあるリビアの最高指導者カダフィ大佐は22日、国営テレビを通じて演説し、「リビアで殉教者として死ぬつもりだ」と述べ、指導者として自国にとどまる意向を強調した(中国の)天安門事件のようにデモ隊をたたきつぶす」と徹底抗戦の構えを強調したしかし、政権の後ろ盾となってきた軍将校の離反が伝えられ始めたほか、外国駐在の外交官もデモ隊への「虐殺」に抗議して相次いで辞職、有力部族の指導者やイスラム教法学者グループも反政府側に立つなど、カダフィ大佐の長期独裁体制への包囲網が狭まっている
 カダフィ大佐は演説で、反政府側がリビアを「新たなアフガニスタン」に変えようとしていると述べ、イスラム原理主義勢力タリバンが統治したかつてのアフガンのようなイスラム支配国家への転換が、反政府側の狙いだと指摘
 カダフィ政権はなおも、反政府側の武力鎮圧を目指す構えとみられるが、体制は既に崩壊過程に入っており、その速度はこれから一気に増す可能性もある