映画版『カイジ』クロニクル(5) | 監督ブログ

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カイジ、坂崎、裕美、利根川
共に戦う事を約束した4人
でもそれは危うい関係でした

坂崎は人柄は信用できるが
勝負に向いていない
一度負け犬になって醜態を晒している
カイジも内心不安に思っています

利根川とはかつて命のやり取りをした関係
その狡猾さは身に染みています
今度も裏切らないと言う理由は無い
事実利根川は、信じろとは言わない
とカイジに告げています

裕美はカイジをやはり恨んでいるのかもしれない
鉄骨渡りでカイジと石田に起こった事を伝えても
裕美のカイジに対する気持ちに
変化はないようにも見えます
何より彼女の心は
どこかで壊れてる
人を信頼する事を放棄してしまったように見える

4人に共通するのは
なんとしても勝負に勝って
大金を手に入れる事
そして奪われた人生を取り戻す事

同じ目的のために集まっただけの
本来なら喰らいあい
殺し合う獣同士なのかもしれないのです


沼は調べれば調べるほど
難攻不落の要塞のように思える


4人が協力しあって
自分たちが持つ
知恵と運と度胸の全てを集めなければ
攻略は叶わない


対する一条も必死
沼を攻略されることは
自分の破滅を意味するから

そして一条もまた
鉄骨渡りで地獄を見たひとりでした

カイジがその地獄で
人間性の最後の輝きを見つけることが出来たのと
対照的に

一条は、人間の心の底に巣食う闇を見て
自分もその闇に染まることによって
生き残ったのでした

カイジと一条は
同じ形をした光と影なのです


沼の攻略は熾烈を極めました
4人はまさに死戦を超える闘いをしました
その最中
予想もしなかったことが起こります
4人の間に絆が生まれたのです

極限状況の中で彼らは見つけます
信頼し、寄り添い、共感し、労わりあうことを

一条の敗北は
4人の間にそのような感情が生まれる事を
予測できなかったのが原因でした

ついに掴んだ勝利
4人が、本当の仲間になった瞬間でした


この後
パート2は
更にどんでん返しがあって終わります

そのどんでん返しについて
僕だけが知っている事実について
正直な告白をしたいと思います

《次回・クロニクル6 告白》