失うものは何もありません、ただ記憶が無くなるだけなのです
あぁ、こっちへおいで。
体を揺らして手招いてみる。
こっちよ、こっち。
あぁ、わたしの可愛い坊や。
どこへ行くの!
待ってちょうだい!
顔を見せたばかりなのに、風に乗ってふわりと舞い上がる子供たち。
あっさり母から離れた子供たちは、体を揺らしながら母に別れを告げ、風に乗って遠くへお引越し。
坊や!坊や!
いつまでも子離れできない過保護なお母さん。
黄色い可愛いお母さんは、いつの間にか髪の毛が無くなってしまいました。
「なにするけぇ、飛んでしまったやないか!」
近くで人の声がしました。
「お前が触るからやろぉ!」
私の傍で取っ組み合いになる人間の子供たち。
どさっと草むらに倒れると、私の仲間が泣き出しました。
喧嘩の反動で仲間の子供たちが、別れを悲しむ間も無く舞い上がってしまったのです。
「痛いやろがぁ!」
やがて人間の子供の一人が私の体を思い切り引っ張りました。
痛くはありません。
私の体は地面から離れました。
仲間達がそんな私を見て泣いてくれました。
悲しくはありません。
やがて私は人間の男の子の手に握られたまま、見知らぬ土地に連れて行かれ一人ぼっちになりました。
寂しくはありません。
私はここできっと記憶を失くしてしまうのでしょうが。
何も恐くありません。
私は強いイキモノです。
根っこさえ生きていれば、ずっとずっと蘇生するのです。
私の名前?あなた、憶えててくださる?
私はたんぽぽ。
生命力のとても強い、春の植物ですのよ。
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美容院で昨日買ったショートショートの本を読みながら、私もこういうの書きたい!と思って書いてみました。
でもやっぱりむずいなぁ…
最初のほうでオチがバレバレな話ですね^^;
でもなんだか楽しかったです
やっぱり空想は楽しいですね。
空想・妄想してるときが一番幸せです♪


